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グリンキーの受賞とトレンド変化。
~サイ・ヤング賞投手の投球術~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2009/11/27 10:29

グリンキーの受賞とトレンド変化。~サイ・ヤング賞投手の投球術~<Number Web> photograph by Getty Images

ロイヤルズではセイバーヘイゲン('85年、'89年)、コーン('94年)に次ぐ3人目の受賞者となった

では何故グリンキーはサイ・ヤング賞を受賞できたのか?

 まったくもう、とぼやきたくなる気分だったにちがいないが、グリンキーは黙々と投げつづけた。大ざっぱにいってしまえば、彼の実質的勝敗数は、22勝6敗ぐらいになるのではないだろうか。

 つまり、グリンキーの受賞は「勝利数偏重」という過去の選考基準に強く変化を促すものだった。となれば、リーグ最多の19勝を挙げたフェリックス・ヘルナンデスやC・C・サバシアに票が集まらなかった理由もよくわかる。唐突かもしれないが、私は1996年のケヴィン・ブラウンを思い出す。勝率5割に届かぬマーリンズに属しながら、この年のブラウンは防御率=1.89、WHIP=0.944の快投を演じた。だが、勝ち星は17止まり。サイ・ヤング賞は、24勝(防御率=2.95)のジョン・スモルツが獲得したのだった。「常識」が変わるまでには、いつも時間がかかる。

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