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ウォーク・イヤー効果と3人のスター。
~契約最終年に活躍するMLB選手~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2011/07/03 08:00

ウォーク・イヤー効果と3人のスター。~契約最終年に活躍するMLB選手~<Number Web> photograph by Getty Images

2005年から2007年にかけて3年連続盗塁王に輝いているレイエス。今季は2008年以来の200安打も射程内に

 ウォーク・イヤー効果という言葉が野球界にはある。

 平たくいうと「契約最終年効果」だ。

 そう、説明するまでもないだろうが、契約最終年には急に活躍する選手が多い。ここで頑張っておけば、来季から新天地で有利な契約を結ぶことができるからだ。もっと俗っぽくいうなら、自発的なニンジン効果の一種ということになるでしょうか。

 典型的な選手にエイドリアン・ベルトレがいる。ベルトレは、才能があるのかないのかよくわからない選手だ。

 2004年、ドジャースで契約最終年を迎えた彼は、突然噴火した。それまでの6年間、2割7分、20本塁打、75打点が地相場だったのに、3割3分4厘、48本塁打、121打点と眼をみはるような成績を挙げ、その年の冬、マリナーズから好条件を引き出したのだ。

 が、シアトルのベルトレは、昔のベルトレに逆戻りした。契約は5年間で終了。ここでレッドソックスと1年契約を結んだ彼は、再度爆発する。2010年は、3割2分1厘、28本塁打、102打点。久々に成績を残したベルトレは、レンジャーズと好条件で契約を結ぶのだ。ちゃっかりしてるなあ。

打撃4部門でトップに立つレイエスの狙いは7年以上の長期契約。

 ベルトレの例を思い出したのは、今季終了後にFAの資格を獲得する選手の活躍が、ここへ来て目立つからだ。とくにナ・リーグ。

 6月27日現在、ナ・リーグの首位打者はメッツのホゼ・レイエスである。

 レイエスは走攻守の三拍子がそろった、潜在能力の高い遊撃手だ。が、少しムラっ気があり、打率が3割(規定打数以上)に到達したのは1度しかない。

 そんなレイエスが、打率(3割4分1厘)、安打数(113)、三塁打数(14)、得点(61)の4部門でナ・リーグのトップに立っている。

 彼の狙いは、ずばり、昨季のカール・クロフォードの踏襲だろう。駿足好打のクロフォードは、レッドソックス、エンジェルス、ヤンキースの3球団を天秤にかけ、7年総額1億4200万ドルの契約を獲得したのだ。

 28歳になったばかりのレイエスも、7年以上の長期契約を狙っていることはまずまちがいない。遊撃手が欲しいチームは多いし、ジーターやテハーダといった名選手に翳りの見られる昨今、レイエスがクロフォード並みの契約を勝ち取る可能性はかなり高い。

【次ページ】 ウォーク・イヤーで打撃好調のフィルダーの懸念材料。

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