カトリーヌあやこの EURO2008ミーハーガイドBACK NUMBER

夢の宴の終わり 

text by

カトリーヌあやこ

カトリーヌあやこCatherine Ayako

PROFILE

posted2008/06/30 00:00

夢の宴の終わり<Number Web>

 「ボールがワルツを踊っています!」

 TBSの土井アナが訳わかんないこと言っちゃうくらい、見事だったスペインのボール回し。ワルツというよりも、そのスピードと情熱、とどまることを知らないステップは、やっぱり本家フラメンコな感じ。

 「44年ぶり、すばらしいメロディを奏でたスペインが、音楽の都ウィーンで優勝!」と、叫ぶ土井ちゃん。

 どうしてもそれを言いたかったのか、ドイツが優勝したらどうするつもりだったんだ。ベートーベンの「歓喜の歌」とか持ち出したのかな? なんて、いろいろ夢想してしまう兵(つわもの)どもが夢の跡。

 無敵艦隊スペインが、ついにほんとに無敵の優勝! しかも美しいサッカーと勝負強さを両立させたところがルネッサーンス! 思わず口調が髭男爵になるくらい高揚してしまいました。

 大会前に、元イタリア代表監督リッピが「今大会はスペインが旋風を巻き起こす」と言ってた通り、さすが伊達に葉巻は吸ってない。

 かたやドイツ、この日は最後まで自分たちのリズムに乗れなかったようだったけど……。何かい? 決勝ってのは、バラックがぼう然と立ちつくすのを見るためにあるのかい?

 W杯2位、CL2位(2回)、リーグも2位でユーロ2位って。もうね、神様かんべんしてあげて! バラックもつらいと思うけど、見てるこっちもつらいから。もはや安易になぐさめの言葉も言えないですよ。

 また表彰セレモニーで、ドイツの選手がシルバーメダルを貰いに行く時、スペインの選手が作る花道の中を通って行かねばならない……という演出が、どSすぎて泣けました。

 どうか、いつかバラックにも光あれと、遠い極東で祈っております。

 始まってしまえば、あれよあれよと終わってしまったユーロ2008。寝不足のあまりユーロぼけの日々だったけど、もうこれ以上試合が無いと思うと寂しい限り。

 個人的には、敢闘賞をトルコに、殊勲賞をロシアに、技能賞をオランダにさしあげたい。

 それでは4年後、ユーロ2012のために今から土手走ってきます!

海外サッカーの前後の記事

ページトップ