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「億」の重みを存分に伝える、
“熱い男”山崎武司のプロ意識。 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byHideki Sugiyama

posted2010/01/05 10:30

「億」の重みを存分に伝える、“熱い男”山崎武司のプロ意識。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

今季は100打点を超えており、41歳にして、門田博光、タフィ・ローズ、金本知憲らが持つ40歳100打点の記録を塗り替えた。39本塁打107打点と両部門でパリーグ2位という活躍ぶりも光る

 シーズンオフのこの時期、現実的な重みなど想像もつかないためか、どうしても「億単位」の金額を軽く受け取ってしまう。

 スポーツ新聞などを開けば、連日のように億、億、億……の文字。

 日本ハムのダルビッシュ有が3億3000万円で更改した。あれほどの成績を収めたのだから周囲も納得だろう。

 西武の涌井秀章が「沢村賞の重みを全く分かっていない」と、8000万円増の2億円をいったんは保留した。その気持ちも分からなくもない。

 ただ正直、こうも思ってしまう。「年俸の頭打ちがない分、球団も大変だろうな」と。

 活躍すればするだけ選手の年俸は上がっていく。上昇の額は球団の財政状況にもよるだろうが、新人から3、4年続けて結果を残せば1億など軽く超えてしまう。楽天の田中将大が3年目(4年目シーズン)にして1億8000万円を手にしたのがいい例だろう。

 1986年に落合博満(当時中日)が球界初の「1億円プレーヤー」となり周囲を騒がせた、あの時代が懐かしい……。

史上最高齢、プロ24年目41歳で「2億円プレーヤー」に!

 そんなプロ野球界の金銭事情において、彼の年俸は「億」の重みを十分に伝えていた。

 楽天の山崎武司、である。

 39本塁打、107打点はともにリーグ2位。4番としてチームをクライマックスシリーズに導いたこともありアップは確実。契約更改交渉前、山崎本人も冗談交じりで「2億5000万円」を希望するほどだった。そして、その希望は実際に叶った。年俸2億5000万円プラス出来高の2年契約。

 この金額は、シーズン中に数々の「40代記録」を塗り変えた山崎にとって新たな記録を作ることとなる。

 24年目にして自身初となる2億円台。2005年の中日・山本昌の22年を抜き、プロ野球史上最も遅い24年目での「2億円プレーヤー」となったのだ。

 交渉を終えた会見の席で、彼は満面の笑みを浮かべながら、不況下の世間に詫びるように過去を振り返った。

「オリックスで1度クビになった男がこんなにもらっていいのかなぁ。不況なのに大金を貰ってしまい責任を感じる」

 これを「自慢」と捉える人間はいるかもしれない。だが、山崎においては断言できる。この言葉は偽りのない「謙遜」だ、と。

<次ページに続く>

► 【次ページ】  引退の決意を翻し、オリックスから新天地の楽天へ。

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