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チームを支える強固な自信。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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posted2009/04/09 07:01

チームを支える強固な自信。<Number Web> photograph by AFLO

 トルコとのワールドカップ予選2連戦を制したスペイン代表が連勝を11とし、無敗を自身タイの31試合連続に伸ばした。クレメンテ監督時代の94年7月から98年1月にかけても31試合負け知らずだったが、そのときは20勝11引き分け。いまのチームは28勝3引き分けだから、ちょっと大袈裟だが、スペイン史上最強だ。

 最後の負け試合である2006年11月のルーマニア戦と比べると、現在のスペインは選手の心の持ちようが随分変わっている。野球に喩えるのもヘンな話だが、以前は空振りを恐れながら振っていたバットを、いまは必ず当たると信じて振っている感じ。「勝てるかな、勝ちたいな」ではなく、「勝てる」とわかってプレーしている。

強さの理由はユーロ優勝とデル・ボスケ監督。

 たとえばマドリーで行われた1戦目は、自分たちのサッカーができなかった。イニエスタの不在で孤立したシャビがトルコの激しいプレッシャーに手を焼き、故障明けのビジャはコンディション不良。シャビ・アロンソとセナはゲームに適切なリズムを付けられず、全体がぎくしゃくしていた。それでも得点し、勝った。

 イスタンブールでの2戦目は、地元の熱狂的な観客がフィールドいっぱいに迫る非常にやりにくいスタジアムで、先制された。最悪の展開だ。しかし、腐ることなく焦ることなくゴールを目指し、90分を過ぎてから逆転に成功した。

 ともに、2006年には考えられなかった試合ぶりである。

 こんなことができるようになったのは、もちろんユーロのおかげだ。

 それから、もうひとつ。ルイス・アラゴネスの後任に指名されたのがデル・ボスケだったのも良かった。優勝していなかったら“デル・ボスケ代表監督”は失敗だったかもしれない。だが、スペインは頂点に立った。その状況では、彼以上の適任者はいない。

 デル・ボスケはレアル・マドリーの監督時代、クラブ内外からのプレッシャーに耐えながら、チャンピオンズリーグとリーガを交互に獲り続け、4年間チームの王位を守ったことがある。そればかりかスター選手のエゴを抑えてチームの和を保ち、Bチームの若手を抜擢しては使える選手に仕立て上げた。

 慣れない“優勝”をしてしまったスペインがさらに上を目指すには、彼の手腕は有用で、必要だ。

 果たして初陣から7カ月半、デル・ボスケは期待通りのマネージメントでチームを強化してきた。

【次ページ】 大胆な新戦力起用で南アW杯を見据える。

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