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南アフリカW杯アジア最終予選 
VS.カタール 

text by

木ノ原句望

木ノ原句望Kumi Kinohara

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photograph byNaoya Sanuki

posted2008/11/21 00:00

南アフリカW杯アジア最終予選 VS.カタール<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

 試合開始前からにぎやかな応援を繰り広げていた地元カタールの観客が、前半20分、FW田中達也のゴールで静まり返った。

 DF内田篤人からのクロスボールにMF長谷部誠が走りこむが合わせられず、ペナルティボックス付近でこぼれ球になると、田中は鋭く反応してボールをさらい、そのままボックス右に切れ込んで、角度のないところから思い切りよく日本の先制点を叩き出した。

 11月19日にドーハで行われたカタールとのワールドカップ(W杯)最終予選は、3−0で日本の勝利に終わった。

 快勝と言っていい試合を見せた日本チームの戦い方を象徴していたのが、この先制点であり、2トップの田中と玉田圭司のプレーではなかったか。

 立ち上がりからカタールは、MFハルファンのドリブルを中心に、FWセバスティアン、右MFハリーファ、左MFファビオセザルが絡んで、畳み掛けるような速いテンポの攻撃を仕掛けてきた。

 DF中澤佑二と、ここ10試合に出場していたGK楢崎正剛をケガで欠き、W杯予選初出場のDF寺田周平を擁した日本のバックラインは、いきなり力を試される展開になったが、ボールを持った相手に2人、ときには3人で挟み込むようにしてプレッシャーをかけてボールを奪うと、長谷部、MF遠藤保仁、MF中村俊輔らを中心に展開して攻撃につなげた。

 前線で相手を追い込み、隙があれば常にシュートを狙ってゴールへ向かうという田中のプレースタイルは、以前から変わらない。彼とコンビを組んだ玉田も、同じように前線での守備意識とゴールへの意欲が高い。

 その玉田は、後半開始直後に長谷部からのボールに反応して、2006年W杯ブラジル戦でのゴールを彷彿とさせる一撃をペナルティエリアの外から叩き込んだ。カタールのブルーノ・メツ監督をして「2点目でほとんど試合は終わってしまった」と言わしめた得点だった。

 彼ら2人のFWの良さも存分に発揮されていたが、これまでの試合との違いは、彼らのような動きと、戦う姿勢が、途中交代の選手も含め、試合を通してチーム全体でよく実践されていたことだ。しかも、2−0とリードした後もゴールを求めて積極的に闘い続け、CKから闘莉王のヘディングで3−0にした。

 「戦う姿勢を全面に出して、チーム一丸となって戦ってくれた」と岡田武史監督は言ったが、ここまで一体となった戦いぶりは、岡田体制では初めてではないだろうか。

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