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ベルギーのアフリカ軍団。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byAFLO

posted2005/01/25 00:00

ベルギーのアフリカ軍団。<Number Web> photograph by AFLO

 チャンピオンズリーグでも、UEFAカップでも、ベルギーのクラブはひとつも冬を越すことなく、全てのチームがグループリーグで敗退してしまった。ベルギーの地元紙は、皮肉たっぷりに見出しをつけた。

 「暗い冬の到来。ヨーロッパよ、さようなら」(ヘット・ベラング・ファン・リンブルグ紙)

 「まるでヘマをしたスタントマンのよう」(ヘット・ラーステ・ニュース紙)

 ただ、UEFAカップのグループリーグで、全敗しながらも一瞬の輝きを見せたチームがある。昨季、国内カップで準優勝したベベーレンだ。

 ベベーレンの名簿を見ると、あることに気づく。国籍の欄を見ると、コートジボワール人(Ivoriaan)ばかりなのだ。実に22人中17人がアフリカの西海岸からやってきた選手である(その他の5人はベルギー人)。

 ボスマン判定以来、外国籍選手が約8割を占めるのは珍しいことではなくなったが、それがひとつの国籍だけとなると異常なことだ。ベベーレンでは、同時に10人のコートジボワール人がピッチに立つことも出てきた。

 このちょっとやり過ぎな人種構成には大きな理由がある。財政危機にあったベベーレンは、2001年6月にフランス人のギルーを、テクニカル・マネージャーとして招聘した。ギルーはコートジボワールでサッカー・スクールを経営しており、ベベーレンはギルーが育て上げた象牙海岸の精鋭たちを無料で手に入れることができるようになったのである(ただし、ベベーレンから他のクラブに行くときには、その移籍金がスクールに入る)。

 ベベーレンにはスクールの優秀な卒業生たちが次々とやってきた。現在、最も欧州のスカウトたちの注目を集めているのがMFのマルコ・ネで、昨年はアーセナルが獲得に動いていた(労働ビザが発行されなかったために、実現せず)。

 今季、ベベーレンはUEFAカップでグループリーグまで勝ち進み、結果的にはそこで全敗してしまったが、3年前に消滅しかかっていたクラブが見事に復活したことをヨーロッパに示したのであった。

 ベルギー人がほとんどいないことに反発する声も多いが、ゲンクのファエセン会長は「今ベルギーで最も魅力的なサッカーをするのはベベーレン。問題はあるが、ベベーレンがベルギーリーグに輝きを与えたのは確かだ」と高く評価している。

 コートジボワール人中心のベベーレンは、個人技と組織がうまく調和したアフリカ流の見ていて楽しいサッカーを披露している。それゆえに、偏ったメンバー構成でも、国内では許されるようになったのだった。

 さらにベベーレンの改革は止まらない。ギルーは、2005年1月にタイにもサッカー・スクールを設立することを決定し、コートジボワールと同じような成果をアジアでもあげようとしているのだ。

 全てのチームがベベーレンのようになったら、ベルギーリーグは終わりだろう。だが、ひとつだけなら、リーグにとっては大きな刺激になる。数年後、ベルギーリーグのピッチにコートジボワール人とタイ人がミックスしたチームができているのかもしれない。

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