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「東高西低」の傾向が強まる
高校球界のスター勢力図。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byAkane Ohara

posted2009/07/08 11:30

「東高西低」の傾向が強まる高校球界のスター勢力図。<Number Web> photograph by Akane Ohara

高校球界屈指のスラッガー、筒香嘉智(横浜)。外角打ちも習得し、穴のない打者に成長した。強肩を生かしたサードの守備も鉄壁。

 過去5年間の高校野球の勢力図を、ドラフトを舞台にした東西対抗の形で示してみる。ここでは、東海、北陸地方を東日本に組み入れ(東日本24都道県、西日本23府県)、ドラフト会議で指名された高校球児の数を見てみると――。

◇04年 東日本13人、西日本11人

◇05年 東日本21人、西日本17人

◇06年 東日本19人、西日本14人

◇07年 東日本26人、西日本13人

◇08年 東日本14人、西日本15人

合計  東日本93人、西日本70人

 圧倒的に東日本勢が上回っている。関東対近畿ではどうだろう。

◇04年 関東5人、近畿7人

◇05年 関東8人、近畿11人

◇06年 関東7人、近畿5人

◇07年 関東14人、近畿4人

◇08年 関東5人、近畿5人

 拮抗しているが関東39人、近畿32人という数から分かるように、関東勢の優位が見えてくる。さらに、過去5年に絞り、プロ野球の世界で活躍している選手の顔ぶれも紹介しよう。

◇東日本……石川雄洋(横浜→横浜)、ダルビッシュ有(東北→日本ハム)、東野峻(鉾田一→巨人)、坂本勇人(光星学院→巨人)、涌井秀章(横浜→西武)、斉藤悠葵(福井商→広島)、村中恭兵(東海大甲府→ヤクルト)、佐藤由規(仙台育英→ヤクルト)、田中将大(駒大苫小牧→楽天)、唐川侑己(成田→ロッテ)

◇西日本……山口俊(柳ヶ浦→横浜)、炭谷銀仁朗(平安→西武)、前田健太(PL学園→広島)、大嶺祐太(八重山商工→ロッテ)

 1人1人の顔ぶれも東日本のほうがいい。ダルビッシュ、坂本、田中は関西の中学出身なので、「東西は均衡が保たれている」という意見もあると思う。しかし、野球の基本は高校で作られるというのが筆者の意見だから、ここでは中学がどこかということは考えない。

充実する関東勢のドラフト候補。

 過去10年間の甲子園優勝校も東日本10校、西日本9校と拮抗しているが、東のほうが上回っている。高校野球界では歴史的に西日本優位が長く続いたため、「西高東低」を当たり前のように受け入れてきたが、関東勢をはじめとする東日本の充実は、ここ数年のデータを見る限りはっきりしている。

 それでは今年はどうか。今秋のドラフトで指名されそうな関東の選手の名前を挙げてみよう。

 中村勝(春日部共栄・投手)、白村明弘(慶応高・投手)、筒香嘉智(横浜・三塁手)、中村亘佑(横浜商大高・捕手)、真下貴之(東海大望洋・投手)と、充実した顔ぶれが並ぶ。なお、'00年以降の10年間、首都圏でドラフト指名選手を多く輩出している高校は次の通り。

 横浜7人、帝京6人、浦和学院5人、日大三4人、市船橋3人、春日部共栄、東海大相模、千葉経大付各2人……以下1人が17校。

 輩出常連校で今年も候補がいるのは筒香が在籍する横浜だけ。中村勝、白村、中村亘、真下は必ずしも常連校でない高校に在籍している。こうした状況が、関東の奥行きを深く見せていると言ってもいい。

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