交流戦ラスト2試合で好投。ペナントレース再開へ向け、昨季の沢村賞投手がエンジンの回転数を上げてきている。
「ボールのキレやコントロールが、徐々にですけど、ベストに近づいてきている。今年はきれいなピッチングができないんで、泥臭く、粘り強くやっていく」
1カ月半ぶりの3勝目を挙げた6月16日の楽天戦の試合後、前田健はそういって前を向いた。
マエケンの、何かがおかしい―――。
開幕してからつい最近まで、彼への評価は芳しくなかった。
交流戦ラスト2試合に臨むまで4点台だった防御率や2勝4敗の投手成績だけでなく、完投試合が0で、9試合平均およそ7イニング未満でマウンドを降りているという事実は、彼がエースらしからぬ投球しかできていないことを示している。昨年の開幕後9試合は6勝2敗1完投勝利。昨年1年間で215イニングを投げていたことを考えると、不調と考えるのは当然である。
そもそも、今季の彼は何が悪かったのだろうか。
投手としてやってはいけない「味方の得点直後の失点」。
思い返せば開幕戦(vs.阪神)で敗戦投手となった彼のコメントがすべてを物語っていた。
2年連続の開幕投手に抜擢されながら、6回5失点で降板したこの試合のあと、前田健はこう振り返っている。
「最悪の投球をしてしまった。点を取られるタイミング、取られ方が悪く、打たれた球も自分がしっかり投げきれた球ではなかった」
1回表に広瀬の犠飛で先制したが、直後に同点弾を浴び、3回裏には勝ち越しを許した。それでも、チームは5回に同点、6回表に勝ち越してくれたが、その裏、3失点を喫していた。
前田健が何よりも自省したのはボールの質が良くなかったのはもちろん、味方の得点直後に失点をしてしまうという、ピッチャーとしては一番やってはいけない過ちを犯したことだ。
しかし、これが開幕戦だけにとどまらなかった。
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