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スカウトが注目する超高校級投手、東浜(沖縄尚学)と甲斐(東海大三) 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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posted2008/07/01 00:00

 7月は全国の津々浦々で甲子園出場を懸けた高校生の都道府県大会が行われる。そこで今回は、スカウトが注目する超高校級投手を2人、ピックアップして紹介することにする。まず1人目は選抜優勝投手、東浜巨(沖縄尚学)である。

 MAX147キロを前面に押し立てて、というピッチングスタイルでないことは、球場やテレビで東浜をご覧になった方にはわかるだろう。カーブ、スライダーに加え、そのピッチングを際立たせているのはツーシームのキレのよさ。縦変化とシュート変化で落ちる2種類を備え、バックネット裏から見てもスライダーやチェンジアップとの見分けがつきにくい。このわかりづらさは即ち打者の見極めづらさで、さらに腕の振りがストレートと変わらないので、打者はストレートか変化球かという二者択一(50パーセントの確率)の読み(ヤマ勘)を強いられる。これこそ、東浜が全国制覇できた最大の要因である。東浜がプロ志望なら1巡で消えることは間違いないだろう。

 もう1人のドラフト1巡候補は甲斐拓哉(東海大三)である。

 驚いたのが5月18日に耳にしたこと。

 前日の17日、長野大会1回戦(地球環境高校)で目にした甲斐は素晴らしかった。9回完投して3失点、さらにストレートのMAXは147キロを記録。ちなみに、この球速を教えてくれた偵察隊のスピードガンは1球だけ150キロを計測したが、「多分、誤作動でしょう」と判断、未公認記録にした。

 こういうことがあった翌日、甲斐は連投で創造学園大付を再び完投したのだが、偵察隊のスピードガンは最終回に150キロを3球計測し、さらにこの試合でのMAXは152キロを計測したという。これを隣県・山梨小瀬球場で聞いたとき、目の前で行われている関東大会の熱戦がとたんに色褪せて見えた。完成度の高いピッチングを繰り広げる東浜とはまったく逆のタイプだが、それが野暮ったく見えない。

 さらに甲斐は、雑誌『アマチュア野球』(日刊スポーツ出版社)のインタビューでこんなことを言っている。

 「最速は147キロでお願いします。自分ではどのボールが150キロ出たのか分りません。どうせだったら自分でも納得のいく150キロを投げたいですから」

 何と立派な言葉ではないか。ストレートに偏したが、スライダーのキレもよく、縦、横2種類備え、地球環境高戦の5回には先頭打者を珍しくスライダーの続け球で三振を取っている。ストレートの比率が高い投手だが、こういう芸当もできるのかと感心した。

 2人以外の上位候補者は以下、名前だけ列挙する。

 加藤雅人(前橋工)、高島祥平(帝京高)、斎藤圭祐(千葉経大付高)、松村直弥(市柏高)、伊藤準規(岐阜城北高)、小熊凌祐(近江高)、近田怜王(報徳学園)、宮本武文(倉敷高)、有馬翔(日南学園)、赤川克紀(宮崎商)、伊波翔悟(浦添商)

 ここに挙げたのは全員が投手である。夏の大会はエンジン全開で野手に注目していこうと思っている。

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