欧州サッカーPRESSBACK NUMBER

レアル戦で判明した中村俊輔の悩み。
“アタッカー”として動くか否か? 

text by

中嶋亨

中嶋亨Toru Nakajima

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2009/09/14 12:30

レアル戦で判明した中村俊輔の悩み。“アタッカー”として動くか否か?<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

 12日、エスパニョールホームで行われたエスパニョール対レアル・マドリー戦は、0対3でレアルが勝利。エスパニョールの右SHとして先発出場した中村俊輔は、攻撃の歯車となるプレーで幾度かの好機を演出したものの、代表戦で痛めた足首の状態が悪化して前半終了と共に退いた。

 エスパニョールの新スタジアム、「コルネジャ・エル・プラット」の公式戦初戦であり、対戦相手がレアルということでスタンドはほぼ満員に埋まった。そして試合開始前にはゴール裏席に急逝した主将ダニエル・ハルケの横断幕が広げられ、エスパニョールは全選手が、レアルはイレブンが肩を組んで黙祷を捧げた。

 試合序盤、活発なプレーを見せたのはホームの大声援を受けたエスパニョールだった。エスパニョールはレアルの攻撃に対してゴール前に貼り付くのではなく、自陣の高い位置で選手間の距離を崩さずにボールを奪いに出た。エスパニョールの鋭い出足と注意深いポジショニングを前にレアルも慎重にボールを回し、前半半ばまでは一進一退の状態で時間が経過した。

中村を起点にチャンスを作るが得点にまで至らない!

 そんな展開の中から先にチャンスを手にし始めたのは、エスパニョールだった。粘り強くレアルのパス回しに食い下がって敵のミスを誘うと、ピッチ中央から鋭いカウンター攻撃を仕掛けるようになった。そして、前半18分にペナルティエリア右手前で獲得したFKから、中村が精度の高いクロスをファーサイドに走り込んだ左SHルイス・ガルシアへ合わせると、その折り返しにMFモイセスが飛び込んであわやゴールという場面を生み出した。 前半30分を過ぎた頃には、カウンターを仕掛ける機会が多くなったエスパニョールの前線と最終ラインとの間には、試合序盤よりも広いスペースが生まれ始めていた。

写真

 さらに前半29分、中村を起点としたカウンターから素早くパスをつないだエスパニョールは、FWタムードが鋭いクロスを放ってレアルゴールを脅かす。また前半34分には中村がサイドチェンジによってレアル守備網を揺さぶると、ペナルティエリア手前にできたスペースを利用したルイス・ガルシアがタムードへとスルーパスを放ってゴールチャンスを作り出した。

 しかし、これらのチャンスもレアルDF陣の素早いリカバリーとGKカシージャスの好セーブによってゴールならず。チャンスを手にしながらもそこをモノにできなかったことでエスパニョール側にあった試合の流れは徐々に変化し始めた。

前半途中から、分厚い戦力でレアルが圧倒していく。

 そして、そのスペースでの争いを制したレアルは前半38分、右サイドでMFグラネロ、右SBアルベロア、MFシャビ・アロンソとパスを繋いでエスパニョール守備網を揺さぶると、左に展開したボールをMFカカが後方から走り込んできた左SBマルセロへとパス。これをマルセロはダイレクトで叩き、強烈なミドルシュートがエスパニョールゴールを襲った。

 ここはエスパニョールGKカメニがスーパーセーブによってなんとか弾き返したものの、こぼれ球を拾ったレアルはエスパニョール守備網が立ち直るよりも早く、再び攻撃を展開。エスパニョール最終ラインを破ったMFグラネロが落ち着いてゴールを決めてレアルが先制。前半戦が終了した。

<次ページに続く>

► 【次ページ】  打ち合いに持ち込んだエスパニョ―ルだがレアルが一枚上手。

<< BACK 1 2 NEXT >>
1/2ページ
関連キーワード
マウリシオ・ポチェッティーノ
中村俊輔
ラウール・タムード
ダニエル・ハルケ
コロ
ルイス・ガルシア
イバン・デラペーニャ
イドリス・カメニ
エステバン・グラネロ
グティ
カカ
エスパニョール
レアル・マドリー

ページトップ