そのニュースは、思わぬ波紋を投げかけた。
5月23日、英国オリンピック委員会が、来年のロンドン五輪での国別メダル獲得数の予想を公表。その中で、日本が獲得するのは、「金メダルが17、銀メダルは9、銅メダルは21で合計47個」とされていたのだ。この数字に、日本オリンピック委員会(JOC)の関係者は、驚きを隠さない。
「どういう根拠から出したのか。どういう意図があって予想を行なったのでしょうか」
たしかに、開催国のオリンピック委員会がメダル予想を発表するのは異例のことだが、それ以上に戸惑いを生んだのは、国内での見方とのギャップにある。
JOCはロンドン五輪での目標として、金メダル15~18個を掲げている。だが、JOC内部でさまざまなデータから分析したところ、現状で獲得できる金メダルは10~12個。「強化が少し遅れています」(上村春樹JOC強化本部長)と、危機感を募らせているところだった。
金17個の内訳は、柔道8、レスリング3、競泳3、射撃2、体操1?
それに対し、伝えられた予想の金メダル17個は、東京、アテネ五輪の16個を上回る史上最多の数字であり、メダル総数の47個も最多である(参考までに、アテネは金16、銀9、銅12、北京では金9、銀6、銅10)。だから、「過大評価では」「これで楽観視したくない」と、戸惑うことになったのだ。
いずれにせよ、予想は予想にすぎない。JOCの厳しい認識はあるものの、柔道をはじめ、昨シーズン、好成績を収めた競技に加え、先の世界選手権などで健闘を見せた卓球、徐々に地力をつけている体操女子など、どこまでメダルに肉薄できるか、ロンドンへ向けて楽しみな競技も少なくはない。五輪プレ・イヤーの今シーズンからは海外勢も本腰を入れてくるだけに、ここからの強化の成否が、ロンドンにつながっていくことになる。せっかくの高評価を励みにしていきたいところだ。
ちなみに、金メダル17個の内訳は公開されていないが、英国オリンピック委員会が予想の根拠にしたという昨年の国際大会などの成績からすれば、柔道で8個、レスリングで3個、競泳3個、射撃2個、体操で1個――というのが、関係者たちの見方である。
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