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すぐに結果が欲しいマンチェスターC。
新監督マンチーニの運命やいかに!? 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2010/01/14 10:30

すぐに結果が欲しいマンチェスターC。新監督マンチーニの運命やいかに!?<Number Web> photograph by AFLO

ロビーニョに指示をするマンチーニ。インテル監督時は国内リーグは制したもののCL優勝はならず。シティをどのレベルまで引き上げることができるか?

“Temple of Doom(悲劇の殿堂)”

 自らは“Theatre of Dreams(夢の劇場)”を本拠地とするマンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督は、近隣のマンチェスター・シティの本拠地を皮肉たっぷりにそう呼んできた。

 ユナイテッドは、ファーガソン体制での過去23年間で、プレミアリーグ史上最高の「安定」と「成功」を手に入れた。かたやシティでは、23年間で14名と、平均すれば1年半に1度の割合で監督交代劇が繰り返され、タイトルとは無縁のまま時が流れた。シティは、2008年夏にアブダビから現れた新オーナーの“オイルマネー”を得てもファーガソンに軽視され続けた。今季の戦いが始まるまでは。

 イングランド代表MFのガレス・バリーを皮切りに、昨夏の移籍市場でプレミア経験のある実力者6名の獲得に1億ポンド(約150億円)以上を費やしたシティは、開幕から1カ月無敗を続けた。続く3カ月間を1敗で乗り切ったのは20チーム中シティのみ。しかも、その1敗は終了間際の1点に泣いたユナイテッド戦(3-4)。ファーガソンが「4位候補」とシティを認める気になったのも無理はない。

お家芸の監督交代劇。新指揮官は「4位以内」に命運を託す。

 だが、シティはシティ。

 やっと手に入れたはずの安定感と信憑性は、昨年12月19日に勃発した監督交代劇で捨て去られようとしている。

 マーク・ヒューズの更迭とロベルト・マンチーニの就任そのものをとやかく言うつもりはない。マンチーニが、ヒューズにはない監督としてのリーグ優勝実績(セリエA時代)と、ヒューズを凌ぐ国際的な知名度の持ち主であることは事実なのだから。

 問題は、監督交代のタイミングだ。シティ経営陣は、「世界一のクラブに」という大それた野望を掲げて、「長期的展望」を口にしてきた。今季に関しては、ヒューズが設定した「プレミア6位以内」という目標に協調姿勢を見せていた。ところがヒューズは、最終試合となったサンダーランド戦(4-3)終了時点で、プレミア6位、リーグカップ準決勝進出という成績を残していたにもかかわらず職を追われた。これは、オーナーが“インスタント・サクセス”を求めている証拠に他ならない。今回の監督人事で、オーナーの本性が明らかになったのだ。

「今季はトップ4入り、来季は優勝」という“義務”。

 後任のマンチーニは、「今季はトップ4入り、来季は優勝」と就任直後に目標を語った。昨季10位のチームを率いる身としては、やる気満々、野心たっぷりの意思表明のように思えるが、この目標を達成する以外にシティで生き残る道はないというのが現実だ。

 報道によれば、シティがマンチーニに与えた3年半の監督契約には、今季末の解約を可能にする条項が含まれているという。マンチーニは、実務レベルの最高責任者ガリー・クックに「クラブを次のレベルに導く適任者」と讃えられる一方で、オーナーが意図するレベルアップ(昨季の10位から4位以内へ)を実現できなければ、半年間でお払い箱になる境遇にあるというわけだ。

<次ページに続く>

► 【次ページ】  出足は順調だが、マンチーニ体制の今後は不安材料が山積。

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