2年連続で2位に終わった川崎Fの関塚隆監督。タイトルを獲得できなかったことを受けて今季限りの退任が決まった

Jリーグの監督去就で考える、
“日本代表チーム”の立ち位置。

杉山茂樹 = 文 ⇒この著者の記事一覧

text by Shigeki Sugiyama

photograph by AFLO

Jリーグの監督去就で考える、“日本代表チーム”の立ち位置。

関連アスリート・チーム:

チーム・選手名
関塚隆
アルビレックス新潟
大分トリニータ

(1)浦和 (2)G大阪 (3)鹿島 (4)横浜 (5)名古屋 (6)千葉 (7)清水 (8)FC東京 (9)磐田 (10)川崎F (11)大宮 (12)柏 (13)新潟 (14)京都 (15)広島 (16)大分 (17)神戸 (18)山形

 これは、'09シーズンにJ1に所属した18チームの、'08年度の営業収益を順位化したものだ。'09シーズンの年間予算に等しいものだが、これと下に示す'09シーズンの成績とを比較してみると、一部例外はあるにせよ、それぞれの大まかな費用対効果が見えてくる。

(1)鹿島 (2)川崎F (3)G大阪 (4)広島 (5)FC東京 (6)浦和 (7)清水 (8)新潟 (9)名古屋 (10)横浜 (11)磐田 (12)京都 (13)大宮 (14)神戸 (15)山形 (16)柏 (17)大分 (18)千葉

費用対効果が悪いのは千葉、浦和。良いのは広島、川崎F。

 費用対効果が目に見えて悪いのは、千葉(6→18)、浦和(1→6)、横浜(4→10)で、続いて名古屋(5→9)、柏(12→16)。逆に良いチームは、広島(15→4)、川崎F(10→2)、新潟(13→8)となる。

 チームの善し悪しを語るとき、こうした目線は欠かせない。悪くしている原因、良くしている原因はさまざまだが、なかでも監督の力は無視できない要素になる。

 ミハイロ・ペトロビッチ監督(広島)、関塚隆監督(川崎F)、鈴木淳監督(新潟)。この3人は、明らかに合格だ。しかし、ペトロビッチ監督以外の2人は、今シーズンをもって退団。関塚監督は「クラブから契約延長の話をいただいたが、タイトルが取れなかったことを真摯に受け止め、お断りした」と語っている。一方、新潟の鈴木淳監督の場合は「契約満了につき、来季の更新をしないことになった」と、クラブのホームページに記されていた。

 両者の場合とも本音が見えてこない。関塚監督は「タイトルが取れなかった」ことを反省しているようだが、Jリーグ2位は立派な成績だ。ナビスコ杯でも準優勝に輝いている。反省する必要などないはずだ。本音は、別のところにありそうだ。

年間予算わずか25億円で8位は敢闘賞に値する新潟。

 鈴木監督の場合は、関塚監督とは事情が違う。クラブが慰留したわけでもなければ、監督自ら責任をとりたがっている様子もない。クラブが、惜しい人材をあっさり手放したような気がして仕方がない。

 実際、鈴木監督率いる新潟は、J2落ちを回避できれば上々と言うべきメンバーで、可能な限り良いサッカーをしていた。反町監督時代より良かったとは個人的な感想だが、成績的にも、一時は優勝争いにも顔を出しながらの8位は、年間予算25億円のチームにしては、文句なく上出来だと断言できる。敢闘賞に値するサッカーだったと言える。

 自らのサイズと成績との関係にシビアにならないと墓穴を掘るとは、いつかのこのコラムでも、今季の大分を例に出しながら記したが、やはり、どうしても予算関係からは目を逸らしがちだ。それでいて成績ばかりを追い求める傾向もある。地方のメディアに、とくにその傾向が強く見られる。

<次ページに続く>

► 【次ページ】  南アW杯での日本代表の立ち位置は新潟であり大分なのだ。

筆者プロフィール

杉山茂樹

1959年7月8日生まれ。静岡県出身。大学卒業後、フリーのライターとして「Sports Graphic Number」やサッカー専門誌などで執筆するほか、解説者としても活躍中。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「ワールドカップが夢だった。」(ダイヤモンド社)、「サッカー世界基準100」(実業之日本)、「4-2-3-1」(光文社新書)、「日本サッカー偏差値52 」(じっぴコンパクト)などがある。


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