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長谷部誠がヴォルフスブルクを救う!
独メディアが彼を高評価する理由。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byUniphoto Press

posted2010/01/10 08:00

長谷部誠がヴォルフスブルクを救う!独メディアが彼を高評価する理由。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

ポルトガル代表も務めたDFのリカルド・コスタと共に。昨年の優勝で、奥寺康彦以来31年ぶりにリーガ優勝を果たした日本人となった長谷部

「この日本人は目立たないが、価値あるプレーを見せる」

 先に挙げたシャルケ戦の前まで、チームは3連敗中だったが、その原因は、以前のコラムでも触れたようにチームが守備面で問題を抱えていたからだ。9月18日のシャルケ戦をきっかけに長谷部がスタメンに定着すると、10月には『スポーツビルト』誌が、ヴォルフスブルクが連敗を脱出した要因を分析していた。

「守備の問題は改善されつつある。フェー監督が、守備力の高い日本人選手・長谷部をスタメンで起用するようになったからだ。この日本人選手は、それほど目立たないかもしれないが、とても価値のあるプレーを見せている」

 アルミン・フェー監督も同じ考えを持っているようだ。CLの決勝トーナメント進出をかけたCSKAモスクワ戦前日の記者会見で、監督は長谷部の名前を挙げていた。

「明日の試合では、守備に意識をおいて戦わないといけない。だから右MFでプレーするのは長谷部だ。彼はこれまでにも良いプレーを見せてくれているからね」

守備と攻撃両面での貢献にライバル・ジアニも兜を脱ぐ。

 長谷部の守備での貢献は、すでにドイツで広く認められるようになった。そんな彼が昨季から課題としていたのが「攻撃での貢献」である。その成果も、少しずつではあるが表れてきているようだ。CLのCSKAモスクワ戦のあとにこんなことがあった。前半に長谷部が右サイドでボールを持ちあがり、先制ゴールのきっかけを作った試合後のことである。『ヴォルフスブルガーアルゲマイネ』誌のパールマン記者が話しかけてきた。

「前半の彼はチームで最も素晴らしい活躍をしていたね。すまないが、彼が試合後にどんなことを話していたのか教えてくれないか?」

 それから1週間も経たないころ、長谷部とポジションを争うと見られていたジアニは、『キッカー』誌のインタビューの中でライバルの活躍に兜を脱ぐコメントを口にした。

「攻撃と守備の両方の活躍をみんなは求めるかもしれない。でも、長谷部が右MFで見せているようなプレーは僕には出来ないよ」

 そういえば以前、長谷部は先輩たちが海を渡った経緯と自らがドイツに来た経緯との違いを口にしていた。

「僕がこっちにきたときの状況は中田ヒデさん(中田英寿)や俊さん(中村俊輔)や伸二さん(小野伸二)のときとは違っていたんですよ。だって、僕はそれまで代表にもほとんど呼ばれていなかったし。このままじゃダメだと思って移籍してきたわけだから」

<次ページに続く>

► 【次ページ】  従来の日本人選手像とは異なるイメージを作った長谷部。

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