イチロー メジャー戦記2001BACK NUMBER

Jinx スポーツ・イラストレイテッド・カバー・ジンクスの話。 

text by

木本大志

木本大志Taishi Kimoto

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photograph byTaishi Kimoto

posted2001/05/30 00:00

 “スポーツ・イラストレイテッド・カバー・ジンクス”というのがある。

 スポーツ・イラストレイテッド(以下SI)の表紙を飾ったプレイヤー、チームはそのあと調子を崩す、ケガをするといったような意味で、当然いい意味ではない。アメリカのスポーツファンならほぼ当たり前のように知っている話で、選手、コーチなども時としてかなりこのジンクスには神経質になるという。ためしにUS Yahooで“Sports Illustrated Cover Jinx”を検索してみて欲しい。なんと297件の検索結果が出てくる。

 イチローが表紙を飾ったSIが発売されたその日、たまたまFOXスポーツのオフィスを訪れた。顔を合わせるなり、FOXノースウエスト・スポーツニュースのアンカーマン、ビル・ウィクシィが声をかけてきた。

 「イチロー、とうとうカバーになっちゃったなあ?イチローはジンクスのこと知ってると思うか?」

 「知らないと思う」

 「それなら一生知らないほうがいい」

 シーズン直前、3月5日号のSIカバーをボストン・レッドソックスのノーマー・ガルシアパーラが飾った。しかし今シーズンは右手首のケガの影響で一度も試合に出場していない。4月2日に手術をしており、前半戦の出場は絶望的。皮肉にもガルシアパーラが飾ったSIのタイトルは“ボストンのガルシアパーラはどのようにしてベースボール界最強の体を作り上げたか”だった。

 もう一つ有名な例。1999年11月15日号で、オーバーンのクリス・ポーター(現ゴールデンステイト・ウォリアーズ)がSIの表紙を飾った。“カレッジ・バスケット・プレビュー。今年のランクNo.1はオーバーン、ポーターの存在がその理由”。そんなカバータイトルだったのだが、結局そのシーズン、チーム、ポーターともにパッとせず、オーバーンは2回戦でNCAAトーナメントから姿を消し、シーズン前はドラフトトップ10候補と言われたポーターも、シーズン後のドラフトでは58人中55番目という、元カバー・ボーイとしては寂しい指名順位でのNBA入りだった。

 「確かにジンクスの話は存在する。でもマイケル・ジョーダン、ケン・グリフィーJr.、ペドロ、タイガー・ウッズらには無縁だった。イチロー?彼にもそうあって欲しいね(笑)」と、シアトル・タイムズのボブ・シャーウィン。

 マイケル・ジョーダンは47回、SIのカバーを飾った。イチローは何回カバーを飾るのか。

 ジンクスよりもむしろそっちのほうに興味があるのだが。

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