ジーコ・ジャパン ドイツへの道BACK NUMBER

キリン・カップ(2005年5月27日)VSアラブ首長国連邦(UAE) 

text by

木ノ原久美

木ノ原久美Kumi Kinohara

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2005/05/30 00:00

キリン・カップ(2005年5月27日)VSアラブ首長国連邦(UAE)<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

 まさか2試合続けて同じような形で失点するのを見るとは・・・。

 日本は、5月27日にキリンカップ第2戦でアラブ首長国(UAE)と対戦し、数々の決定機に決められないまま、後半相手の逆襲から失点し、1−0で負けた。6月3日、8日に控えるバーレーン、北朝鮮とのW杯最終予選2連戦を控えてのウォームアップ試合は白星なしに終わった。

 第1戦のペルー戦以降UAE戦前日まで、ペルー戦でのカウンターによる失点を反省し、チームは再三にわたって話し合いを行っていた。リスクを冒さず、バランスを崩さず、守備の意識をしっかり持つことを何度も確認していた。だが、失点。

 後半23分、左サイドでMFムバラクがMFハリルとワン・ツーを交わして福西を抜き、そのまま駆け上がってきたMFアリにノーマークでスルーパスを出された。坪井がハリルへマークに行きかけて、慌ててアリのケアに戻ることになってマークが遅れた。

 前回はリスクを負って逆を取られたものだったが、今回は中盤での相手へのケアが甘くなって、楽に通された一本のスルーパスで決定機を作られたもの。攻め疲れて一瞬集中が切れたのか。坪井の判断も問題だが、中盤での対応も問題だろう。パスを楽に相手に出させてしまえば、失点の危機が訪れるのは当然だ。

 バーレーンは守備が堅く、スピードがあり、この日のUAE同様に攻守の速い切り替えしから1本のパスでシュートまで持って行く技術と力を持つ。しかも、現在勝ち点4で最終予選B組3位ながら、3試合を残して予選突破に芽がないわけではない。バーレーンのホームゲームで猛攻を受けることは十分予想される。日本はできれば勝利で勝ち点3を得てW杯出場に王手をかけたいところだが、悪くても引分けには収めたい。

 UAEは守備を固めてカウンターを狙うという試合運びだったために猛攻というものはなかった。だがそれでも、日本にとっては攻められたときにしっかり守り、チャンスに決める、という2大原則の確認にはなった。最終ラインだけでなく、チーム全体の守備と自分達の集中力を再確認すべきなのは言うまでもない。

 一方、ポジティブな要素もなかったわけではない。

 MF小野が入って攻撃にバリエーションが増え、決定的チャンスが増えた。先日のペルー戦に比べて攻めにリズムと勢いが出た。小野も「最後に決めればいいところまで来ている」と手応えを口にしている。

 その小野が好調のFW大黒と絡む場面が増えてきたことは心強いが、対照的に、2トップを組んだ鈴木に本来の動きが見られない。大黒を生かすという点でも、FW高原が左ハムストリング肉離れでバーレーン戦出場が危ぶまれている状況を考えても、鈴木の相手のファウルとイライラを誘う鋭く泥臭いプレーが戻ってきてほしいのだが・・・。

 連敗は2003年コンフェデ杯でのフランス、コロンビア戦以来、無得点試合は昨年12月のドイツ戦以来だ。

 ジーコ監督は相変わらず「精度を上げるしかない」と言い、大黒も「シュートを打つ時にもっと冷静にならないと」と言った。

 DF宮本は「みんな引きずっても仕方ないと思っている。(小野)伸二が入ったり、加地が戻ったりしていいコンビネーションは出ている。でも、みんなのコンディションがまだ悪いのか、球際の強さをもっと出さないといけない」と話した。

 予選のメンバーにはUAE戦後に招集が発表されたMF中田英寿、MF中村、MF中田浩二、FW柳沢らが加わり、29日からのアブダビ合宿以降、チームに合流する予定だ。彼らが入って、大一番を目前に最終段階で見えた課題がどう修正されるのか。アブダビとマナマでの調整が注目される。

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