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知恵と情熱でチームを牽引する、
Jリーグの「名物社長」に注目。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byMasahiro Ura

posted2010/03/02 10:30

知恵と情熱でチームを牽引する、Jリーグの「名物社長」に注目。<Number Web> photograph by Masahiro Ura

浦和、新潟に次いで3位の観客動員数('06年~'08年)を誇るFC東京サポーター。特にゴール裏からの相手GKへのブーイングは強烈

経済界で成功したビジネスのプロが続々とJの社長に。

 中村俊輔の獲得交渉で一気に知名度を上げそうなのが、横浜F・マリノスの嘉悦社長だ。

 嘉悦氏は日産の執行役員時代に、『日産リバイバルプラン』に中核として関わった改革のプロ。「所詮は出向じゃないか」という声もあるだろうが、スポットライトを浴びることで“化ける”可能性もゼロではない。カルロス・ゴーンの薫陶を受けたビジネスのプロが、サッカー界でどんな仕事をするのか――個人的には非常に楽しみにしている。

 同じく“新人”の叶屋氏は、J1の最年少社長(43歳)。おそらくTwitterをやっている唯一のJ1社長だろう。フォロワーはこのコラムの締め切り時点で250人とやや寂しいが、証券会社の元営業マンだけにフットワークが軽そうだ。彼の持つ経歴と発想は、新しい社長像を作るのではないか。

 この他にも元ラグビー日本代表の大東和美氏(おおひがし かずみ/鹿島アントラーズ)、元東北リコー会長の白幡洋一氏(しらはた よういち/ベガルタ仙台)など、輝かしい経歴を持つ社長がたくさんいる。

情熱ある社長が日本のサッカー界を活性化する。

 これまで“親会社”を持つクラブでは、球団社長のポストは「左遷先」でしかなかったかもしれない。乗り気でない人物が送り込まれ、うまくいかない例も多かったに違いない。だが、日本にサッカー文化が根付き始めたことで、これからは情熱を持った社長が増えていきそうだ。

 プロリーグでは、クラブの社長も見所のひとつ。Jリーグにおいて、個性的な社長がさらに増えることを期待したい。

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