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天才児と日本馬に胸躍る、
欧州3歳マイル王決定戦。
~6月14日、グランプリボスの挑戦~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byYoko Kunihiro

posted2011/06/12 08:00

天才児と日本馬に胸躍る、欧州3歳マイル王決定戦。~6月14日、グランプリボスの挑戦~<Number Web> photograph by Yoko Kunihiro

グランプリボスは今年死去した父サクラバクシンオー譲りのスピードを武器に欧州に挑む

 ヴィクトワールピサを代表とする現4歳世代の馬たちが「ヴィンテージ」と称されるほど突出して強いこともあって、今年の3歳世代は小粒なのではないかと疑いの眼差しを向けられている。

 その中でオルフェーヴル(栗東・池江泰寿厩舎、父ステイゴールド)が強い内容で2冠を制したのは、皐月賞の直前あたりから急激な上昇カーブを描いて成長できたことによるもの。ダービーで勝ち馬に際どく迫ったウインバリアシオン(栗東・松永昌博厩舎、父ハーツクライ)も、同様に上昇度で他馬を大きく上回った結果と分析できる。極端な話、若い馬たちは一晩寝て起きるたびに強くなれるものなのだ。ただし、秋以降にあの強い世代に交じって五分に戦うためには、もっともっと力をつけ続けなければいけないのはいまさら言うまでもない。

 とはいえ、ひとつ上の先輩たちが強いというのは運動部的に考えれば実に得難いこと。ヴィンテージ世代を礎として、日本の競馬全体のレベルが上がりそうな予感がしている。

英国の無敗3歳馬にNHKマイルカップを制したグランプリボスが挑戦。

 欧米からもクラシックディスタンスに大物がいる話が聞こえてくることがなく、3歳世代の凡庸さが窺えていたわけだが、ここへ来てヨーロッパにマイルの天才児が出現してファンを沸かせている。

 日本の皐月賞の範となったとされる英国の2000ギニーS(ニューマーケット競馬場、芝1マイル、GI)で、後続をちぎり捨てて無敗の6連勝を飾ったフランケル(英国、ヘンリー・セシル厩舎、父ガリレオ)がその馬。ダービーには目もくれず、次走はセントジェームズパレスS(6月14日、英国アスコット競馬場、芝1マイル、GI)に照準を合わせている。

 これはクラシックではないが、牡の3歳馬しか出られないレース。仏国の2000ギニーSを勝ったティンホースも出走を表明し、文字通り欧州3歳マイル王決定戦の様相を呈している。

 そこに日本からNHKマイルカップを制したグランプリボス(栗東・矢作芳人厩舎)も参戦するというのだから、まさに必見のビッグイベントだ。「あのスピードは次元が違う」と、欧州のファンの期待を一手に背負うフランケルに対して、我が国が誇るサクラバクシンオーのダッシュ力を受け継いだグランプリボスがどこまで食い下がれるのか、固唾を呑んで見守りたい。

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