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アメリカ代表のわかりやすい基礎知識! 

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小尾慶一

小尾慶一Keiichi Obi

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photograph byNBAE/gettyimages/AFLO

posted2006/03/22 00:00

 日本初開催となるバスケット世界選手権。嬉しいことに、アメリカは今大会もNBA選手を送り込んでくる。

 では、来日するのはどんなメンバーなのか。新選考システムの解説も交えて、わかりやすく紹介しよう。

 まず、簡単におさらいを。アメリカがNBA選手主体の代表チームを派遣するようになったのは、92年のバルセロナ五輪から。それ以来、数々の栄冠を手にしてきたが、近年は低迷(02年世界選手権は6位、04年アテネ五輪では銅メダル)他国がレベルアップする中、急造ロースターで準備不足のまま大会に望んだ結果だった。

 その反省を踏まえて作られたのが、今回の新システム。候補に選ばれた選手は、世界選手権だけでなく、08年北京五輪までの3年間、代表活動に拘束されることになる。また、最終ロースターは大会前の合宿や練習試合で決定(実質上のトライアウト)。つまり、時間をかけてチームワークを育み、大会ごとに最適なメンバーを組めるようになったわけだ。

 別に目新しいやり方じゃないよ、と言われそうだが、NBA選手にとっては新たなチャレンジである。あなたが年俸10億円のスターだとして、シーズン82試合以上のハードスケジュールをこなした後、家族と触れ合う休日を犠牲にして、ケガや疲労の待ち受ける夏を3回も味わいたいと思うだろうか。

 今度の選考が新しいのは、そうした点を考慮して早くから根回しを行なっていること。選手から信頼の厚いジェリー・コランジェロが、選考総責任者として選手を面接。各人の気持ちを確認した上で協力を要請した。つまり、候補となった時点で、選手は参加を前向きに捉えている。これまでのように辞退者が続出することはない。

 以下は、選出された23人のリスト(括弧内は来日予想。◎ほぼ確定、〇可能性大、△ボーダーライン、×不出場。*印は大学生)と今後の選考スケジュールだ。

7月中旬  合宿+エキジビジョンゲーム@米国内 (参加23人)

8月上旬  合宿+*エキジビジョンゲーム@韓国ソウル(参加15人)

8月17日 札幌へ出発(最終ロースター12人[残り3人も同行予定])

8月19日 世界選手権開幕(アメリカは札幌で予選、決勝ラウンドはさいたま市で)

*ワールド・バスケットボール・チャレンジ……アメリカ、韓国、リトアニア、トルコ、イタリアの代表チームが参加

 来日ほぼ確定なのは、金メダル奪還を表明しているコービー、唯一の7フッターであるミラー、若きスターのレブロンとウェイド。ビッグマンが不足気味なので、ブランドやハワードも間違いない。スタッダマイアーが膝を手術したばかりということもあり、オドムやボッシュも有力だろう。また、守備の専門家であるボウエン(もしくは、バティエ)も必要だ。万能アスリートのマリオンにも可能性がある。妻の出産に立ち会うビラップスと結婚予定のレッドは、おそらく世界選手権には不参加。そうなると、PGはアリナスとポールということになる。残り11人については、大学生2人──リディック、モリソン──を含め、その時々の調子や状況次第でチャンスがある。

 「スタッフや私がジェリー(・コランジェロ)に求めていたのは、万能なチーム──複数のポジションをプレーできる選手を集めることだった」とヘッドコーチを務めるマイク・シャシェフスキー(デューク大)。大学界の名将が目指すのは、コート全体を使ったスピーディなバスケットだ。

 気になるのは、その実力のほど。はたして、このチームは強いのだろうか。

 答えは、イエスであり、ノーでもある。アメリカは現時点ですでに優勝候補だが、目標とするバスケットが完成するのは数年後だ。

 「(北京)五輪が開催される頃には、チームはうまく機能しているはずだ」とシャシェフスキーも言う。「日本での世界選手権が飛躍のきっかけになることを願うよ」

 接戦は必至。だが、彼らがこれまでになく勝利を欲しているのも間違いない。勝つにせよ、負けるにせよ、我々はスター軍団の真剣勝負を目撃するチャンスを手にしている。

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