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夏の神奈川大会地区割りはこれでいいのか 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2008/05/28 00:00

夏の神奈川大会地区割りはこれでいいのか<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

 今夏の選手権(甲子園大会)は90回を記念する「記念大会」なので、98年同様、参加校が多い埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪、兵庫が2地区に増枠され、合計55校によって覇権が争われる。全国に先がけて神奈川の地区割りが決まり、まず注目したのは横浜市が細かく分散されている点である。最も強豪が集まっている横浜地区だから、ここをどう扱っていくのか、高校野球ファンなら誰もが注目していた。最初は、大変だったろうな、と神奈川県高野連の苦労を思いやった。しかし、南神奈川にくらべ北神奈川に強豪が偏っているのに気づくと、ある疑問がむくむくと湧き上がってきた。その学校名を挙げる前にどういう地区割りになったのか紹介しよう。

◇南神奈川

保土ヶ谷区、西区、中区、和泉区、戸塚区、南区、港南区、磯子区、栄区、金沢区(以上横浜地区)、横須賀市、三浦市、逗子市(以上横須賀地区)、藤沢市、茅ヶ崎市、鎌倉市、高座郡(以上湘南地区)、平塚市、小田原市、南足柄郡、中郡、足柄上郡(以上西湘地区)

◇北神奈川

川崎地区(川崎市すべて)、青葉区、都筑区、港北区、鶴見区、緑区、神奈川区、瀬谷区、旭区(以上横浜地区)、厚木市、相模原市、秦野市、大和市、座間市、伊勢原市、海老名市、綾瀬市、愛甲郡

 何度もいうが、この地区割り作業は大変だったと想像できる。数も南94校、北99校とバランスが取れている。しかし、問題は振り分けられた中身である。

◇南神奈川地区

横浜高、横浜商、横浜創学館高、日大藤沢高、平塚学園、相洋高、湘南学院、鎌倉学園、立花学園、茅ヶ崎北陵高、横須賀明光高(久里浜高)

◇北神奈川地区

東海大相模高、桐光学園、慶応高、桐蔭学園、日大高、横浜隼人高、武相高、光明相模原高、川崎北高、厚木西高、横浜商大高、百合丘高、神奈川工、法政二高、相模原総合高

 ここに名前を挙げたのは、過去5年間の春・秋の県大会で準々決勝以降に進出したことがある高校ばかりである。校名を見ただけでも北地区に強豪校が偏っているのがわかる。誤解を恐れずに言えば、南地区は最強豪校にして人気校の横浜高を甲子園に行かすために作られた枠と言ってもいい。

 この南北のアンバランスをさらに数値化してみた。

 過去5年間の春・秋の県大会で優勝したチームに4点。以下、準優勝校に3点、準決勝進出校に2点、準々決勝進出校に1点と得点を振り分け、次のような結果を引き出した(<>内数字は順位。07年春は特待生問題があり客観的な評価ができないので除外した)。

<1> 東海大相模高…21

<2> 横浜高…20

<3> 桐光学園…12、慶応高…12

<5> 桐蔭学園…9

<6> 日大高…5

<7> 日大藤沢高…4、横浜商…4

<9> 横浜隼人高…3、横浜創学館高…3、平塚学園…3、相洋高…3

<13> 立花学園…2、鎌倉学園…2、湘南学院…2、武相高…2、川崎北高…2、厚木西高…2、光明相模原高…2

<20> 横浜商大高…1、百合丘高…1、神奈川工…1、法政二高…1、相模原総合高…1、茅ヶ崎北陵高…1、久里浜高…1

 横浜高以外のほとんどの高得点校が北神奈川地区に入っていることがわかるはずだ。大きな得点差が出ないように配慮して4〜1という小さい得点にしたのに、北地区の総得点は75(62.5パーセント)と、南地区の45(37.5パーセント)を大きく上回ってしまった。

 10年後は100回大会として更にイベント的要素が強くなるが、スポーツの基本は公平、平等な条件下での競い合いである。そういう基本にのっとった地区割りを10年後には是非お願いしたい。

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