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ブレーメンを優勝させた北ドイツ気質。 

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安藤正純

安藤正純Masazumi Ando

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posted2004/05/14 00:00

ブレーメンを優勝させた北ドイツ気質。<Number Web> photograph by AFLO

 5月8日、ブレーメンがリーグ優勝を果たした。4度目だが前回は11年前のこと。この間、ブレーメンはずっとリーグ中位に留まり、バイエルンやドルトムントの栄光を遠くから眺めるだけだった。

 それが宿敵バイエルンのホームで前半だけで3点を奪って決めたのだから、まさに溜飲を下げる思いだったに違いない。

 ドイツには、前半戦を1位で折り返したチームがシーズン優勝するという「秋の王者」の法則がある。統計上の確率は65%だが、ブレーメンは幸いにもこの法則通りとなった。

 (1)取りこぼしがなかった (2)レギュラーを固定できた (3)選手もクラブも全面的にシャーフ監督を信頼して戦術が終始一貫していた

――といったところが勝因だろう。

 選手全員の功績ではあるが、それでもDFイズマエル、MFミクーとF・エルンスト、FWアイウトンの貢献度は抜群だ。ミクーは「ジダンがこの世にいなかったら、フランス代表で中盤を支配していた」といわれる。他の3人も評価は同様である。

 ブレーメンにはフロントにも多くの仕事人が存在する。会長は銀行の元支配人で南米駐在が長かったため、この地域に強いコネを持つ。南米から強力な助っ人を獲得できたのは会長の目利きと商談の上手さからだった。おまけにクラブは無借金経営だ。

 GMは元代表選手のK・アロフス。語学堪能で、ムクーもイズマエルも得意のフランス語で折衝し入団を決心させた。急がず慌てずの性格。物静かで大ボラとは無縁。銀行出身の会長とソリが合うわけである。

 シャーフ監督とて、「絶対に人前で笑わない。笑いたいときは地下室へ行く」と揶揄される堅物。簡単に信念を曲げないことでも知られる。つまりどこをみても、北ドイツ地方の特徴である「真面目、頑固、律儀」がこのチームには貫かれているのである。

 ところで祝賀パーティだが、土曜から月曜まで48時間ぶっ通しで続いた。もっと続けたかったのだが、「火曜日の朝、練習があるから」ということでお開きになった。やはり北ドイツ気質である。これでいちばん文句を言ったのはアイウトンだったとか……。

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