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インテルが首位で折り返し。
その陰で進むセリエAの地殻変動。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2009/12/30 08:00

インテルが首位で折り返し。その陰で進むセリエAの地殻変動。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

首位でリーグ前半を折り返したものの、モウリーニョ・インテルには凄みが欠ける

 前半戦を終え、クリスマス中断期間に入ったセリエAだが例年にない大混戦となっている。首位インテルこそ安泰のように見えるが、カンピオナートに地殻変動が起きつつある。

 5連覇を目指すインテルは、20日の年内最終節ラツィオ戦を最少スコアで逃げ切ると、クリスマス王者の座に就いた。TV中継でマイクを向けられたモウリーニョ監督は、ぶっきらぼうに「エトーがアフリカ選手権のために1月の間抜けることは承知している。ライバルチームに差をつけてバカンス入りすることが重要だった」と話した。

 その表情はクリスマスの喜びには満ちていない。15節のユーベ戦で審判への挑発行為で退場を宣告され、またも舌禍と非難された。昨季イタリア1年目で優勝し、今季は欧州制覇へ本腰を入れるつもりが、チャンピオンズリーグではやはり苦戦。プレッシャーが強まる中、なおも内外問わず敵を作り続けるモウリーニョ。クラブ側はエトーの穴を埋めるFWとして、1月の補強でトニ(バイエルン)を獲得するつもりのようだが、彼は「可能なこととそうでないことがある」と素っ気ない。

 3連覇時のマンチーニ最終年、昨年のモウリーニョ1年目には、チームに漲る緊張感とは別に、強者たる余裕があった。それが今季霧散している。1月下旬のミラノ・ダービー、そしてCLでのチェルシー戦次第で、2位ミランにつけた勝点8差が跡形もなく消えてしまう可能性は高いのではないか。

1月にはベッカムが再加入。スクデットも視界に入れるミラン。

 ともに新監督が率いるミランとユベントスの勝点差はわずか1だが、両チームが置かれている状況は天と地ほどにちがう。

 スタートダッシュに失敗したレオナルドだったが、CLのレアル・マドリー戦を契機としてチームの方向性を固めた。ギャンブル性の高い「4-2-1-3」を実戦で使い続ける指揮官の“覚悟”が選手にも伝わり、10月以降、15節のサンプドリア戦まで負け知らず。FWボリエッロ、MFアバーテら元ユース出身選手の活躍もあり、一気に2位奪取に成功すると「スクデットも狙える」との声が内部からも上がり始めた。さらなる起爆剤として1月にはベッカムが再加入。“カカ以降”のアイデンティティを模索していたミランは、開き直った強さと自信を再び見出しつつある。

<次ページに続く>

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