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ピッチの外でも、優勝候補はオレンジ軍団。 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph byYoshiyuki Ohtomo

posted2008/06/12 00:00

ピッチの外でも、優勝候補はオレンジ軍団。<Number Web> photograph by Yoshiyuki Ohtomo

 6月7日に開幕したユーロだが、他の仕事の都合上、2日遅れの9日にスイス入りした。8日夜にマスカットを飛び立ち、アムステルダム乗り継ぎでジュネーブに降り、鉄道で試合会場のベルンに入るという行程である。

 折しも開幕3日目の9日は、オランダが登場する日だった。朝、アムステルダム・スキポール空港へ降り立つと、オレンジ色に身を包み、ビールをあおる大男たちがあふれ、早くも臨戦態勢に入っていた。

 満員のバーやカフェからこぼれた男たちは、缶ビール片手にベンチで決起集会。空港の売店では、500mlの缶ビール2本と応援用の帽子(天辺部分が太鼓になっている優れもの!)がセットになって、11ユーロで売られていた。

 それにしても、至るところ、オレンジ、オレンジ、オレンジ。既成のレプリカユニフォームは少数派で、オリジナルTシャツをはじめ、それぞれ趣向を凝らした衣装を身に着けている。まるで、その出来を競い合っているかのように。

 オランダ・サポーターが身につけるグッズの多彩さは、ヨーロッパでも屈指だ。

 一度でも、ホームで行われるオランダ代表の試合へ出かけてみるといい。スタジアムへの道すがら、いろんなものが配られている。Tシャツ、帽子、空気を入れて膨らませるビニール製の大きな手……。これらすべて、企業が広告用に作っているものなので、全部タダ。手ぶらで行ってもスタジアムに着くころには、立派なオランダ・サポーターの一丁上がりだ。彼らは日々、そうした環境のなかで、独自のファッションセンスを磨いている。

 さて、にぎやかなるオレンジ軍団は、ベルンに着くと、さらにパワーアップしていた。

 なんとオレンジ色の2階建てバスを先頭に(その前には白バイも)、ベルン駅からスタジアムまで約5kmの道のりを行進していたのである。それも、長さ1kmにも達しようかという大行列で。

 オランダ軍団の大行進が途中の川にかかる橋の上までやってきたところを、少し離れた隣の橋から眺めてみた。

 実に壮観だった。

 まるで橋が綺麗に飾り付けられたかのように、橋の上にはオレンジ色のラインが揺らめいていた。

 色とりどりの各国サポーターのなかでも、とりわけオランダはアイディア満点の扮装で、見ていて楽しい。ベルンでの初戦は、大行進による力強い後押しもあってか、世界王者のイタリアを3−0で粉砕した。

 今大会はピッチの内外で、オレンジ軍団が盛り上げてくれそうな雰囲気である。

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