カンポをめぐる狂想曲BACK NUMBER

From:サンパウロ「素晴らしきかな、ブラジル。」 

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杉山茂樹

杉山茂樹Shigeki Sugiyama

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photograph byShigeki Sugiyama

posted2006/03/16 00:00

From:サンパウロ「素晴らしきかな、ブラジル。」<Number Web> photograph by Shigeki Sugiyama

日本代表監督の母国は素晴らしい。

ロナウジーニョにカカ、ロマーリオ、それにペルナンブカーノ。

まだまだあるぞ、サンバ音楽に女性の「お尻」……。

 気温マイナス2度。アムステルダム・スキポール空港には小雪が舞っていた。地球の広さをつくづく思う。そこから飛行機に乗ること12時間。僕は何年かぶりにブラジルにやってきた。こちらは夏。正確には夏の終わりらしいが、太陽の位置は真上。斜めから申し訳なさそうに差し込んでいたオランダの太陽が、もはや懐かしく感じられる。僕の大きめな顔面は、もう日焼けしてバリバリ。悪くない、何とも言えない感触だ。

 温度差は30度以上もあるけれど、僕は快調。夜になれば、心地良い涼やかな風が、突然の変化に吃驚している身体を、癒すようにそよいでくる。厳冬の中で変に緊張していた無数の神経は、良い感じで弛緩している。間違っても日本では実感できないリラックスムード。ストーンアイランドの麻のサマーセーターが、これほどフィットする場所も珍しい。

 ブラジルと言えば、いまやロナウジーニョだ。チャンピオンズリーグ対チェルシー戦で決めた一発は本当に凄かった。ブラジル代表の往年のスター、トスタンは「ロナウジーニョはマラドーナの域に迫りつつある」と、コメントしたそうだが、僕も先日、似たような原稿を書いたばかり。とにかくあのゴールは後世にも語り継がれるようなスーパーゴールだった。一方で、もう一人の「R」は、醜態とも言える不出来をさらけ出した。チャンピオンズリーグ対アーセナル戦におけるロナウドだ。あのオッサンのように変にぶくぶく太った体つきには、正直言ってガックリさせられる。

 ロナウドを外し、FWのポジションでロナウジーニョを使い、で、ロナウジーニョのポジションには、リヨンのジュニーニョ・ペルナンブカーノを使えば……。これが僕の、セレソンブラジレイラに対する意見。でも、それでもブラジルでは、ロナウドのプライオリティは高いんだそうだ。

 それはそうと、ブラジルの場合、サッカー選手も凄いが、女性も凄い。やっぱり、綺麗なのだ。オランダで「これからブラジルに行くんだ」といえば、誰彼ともなく「じゃあ美人にいっぱい会えるんだな」と羨ましがっていたが、確かに巨人ばかりのオランダ女性に比べると、天と地ほどの開きがある。何と言っても「お尻」が素晴らしい。いや、僕はそこらにいがちな、スケベなお兄さんでは全くない。あくまで中性的に、かつデザイン的見地から言及しているに過ぎないことを、まずお断りしておきたい。プリッと上を向いたそのお尻には格別の味わいがあるのだ。ぺちゃっと平らに潰れた東洋人とはまさに好対照な、立体的な美しさがある。というわけで本日、僕はブラジルでも評判の美尻の持ち主に接近。見事、取材することに成功した。もちろん、サッカー取材の一環としてである。

 彼女にお気に入りの選手はと尋ねればカカときた。なるほど。彼も確か、ファッション系の広告で、ジーンズ姿のお尻を披露していたような気がするが、カカは色男だとは言え、所詮は男なんで、中性的な視点も、デザイン的見地から言及することも避けることにしたい。と言うのは冗談で、男性のお尻についても同様な視点で一言わせていただければ、ブラジル人でフォトジェニックなのは、ロマーリオとなる。ルックスでは、カカに断然劣るが、プリッと上を向いたそのお尻は、ブラジル女性を彷彿させる美しさがある。ちなみに彼はいま40歳ながら現役。バスコダガマで通算1000ゴールを目指している。ロナウドと「R・R」コンビを組んでいた、かつてが偲ばれる。とりわけトルノア・ド・フランスを制し、続けてコパ・アメリカボリビア大会を制した97年版の2トップが。マドリーの「R」がダメなら、バスコの「R」でも良いんじゃないのとさえ思う。ロマーリオほど、セレソンブラジレイラのカナリア色が似合う選手も珍しいのだ。あの褐色の肌とのマッチングはデザイン的にも優秀だった。

 そしてもう一つ、ブラジルと言えば……。僕の場合は音楽となる。というわけで、僕はこれから1泊400ドル以上もする、サンパウロ屈指のナイスなホテルのラウンジに出かけ、最新のブラジリアンサウンドに触れてくるつもりだ。

 ブラジルは素晴らしい。それだけにジーコのサッカーが貧しく見えるって話はこの際、止めにしておきましょう。

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