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日本ジャンプ界の未来を託すドーナツ。
ベテランジャンパー船木和喜の情熱。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2011/06/07 10:30

日本ジャンプ界の未来を託すドーナツ。ベテランジャンパー船木和喜の情熱。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

自ら開発に関わったドーナツを笑顔で売る船木。収益の一部はスキージャンプ少年少女の育成のために活用される

「海外フル参戦メンバーに戻って、メダルを獲りたい」

 たしかに一昨年のシーズン、サマージャンプで2勝すると、昨シーズンは、サマーグランプリで海外遠征メンバー入り。冬になると、12月18日の名寄ピヤシリジャンプ大会で冬の大会では6シーズンぶりの優勝を飾った。年明けにも雪印杯、全日本選手権で優勝している。本人も「どん底」と表現した一時期から、復調の気配を見せている。

「もう一度、海外フル参戦メンバーに戻って、メダルを獲りたいですね。記者会見の場とか用意してもらえるじゃないですか。そうすれば、もっと僕が思っていることを訴えることができるじゃないですか」

 ジャンプの現状や、未来へ向けての提言を伝えたいと考えているのだろう。発言の場を得るために、再びトップジャンパーの位置に戻ろうと練習を重ねている。

 物産展でお客の一人一人に丁寧に商品の説明をし、サインを求められればにこやかに応じる一生懸命な姿には、たしかに充実した今が感じられた。

 育成への情熱的な活動、そして今シーズンのジャンパー船木和喜の飛躍もさらに楽しみになってきた。

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