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プロ4年目のロッテ・唐川侑己に何が?
「勝てる投手」への目覚ましい変貌。 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2011/05/30 12:10

プロ4年目のロッテ・唐川侑己に何が?「勝てる投手」への目覚ましい変貌。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

ちょうど1年前の5月は、右手に打球をうけて中指を骨折して登録抹消となっていた唐川。日本シリーズに出場はしたが、今年は先発ローテーションをきっちり守りたいところ

 高校時代、「総合力ナンバー1」と呼ばれた安定感が成熟過程に入りつつある。

 千葉ロッテの4年目、唐川侑己の今季の投球はそれだけ抜群だということだ。

 初登板こそ6回途中4失点で敗戦投手となったものの、4月20日の西武戦から4連勝。5月21日の横浜戦では、勝敗こそつかなかったが7回2失点と最低限の仕事をした。

 そうして迎えた5月28日の巨人戦。登板前日に唐川は、「3年前のことなのでもう忘れました。あの時とは僕も変わっていますから」と冷静に答えてはいた。だが、ルーキーイヤーの'08年に4回途中6失点した相手を全く意識していないわけがない。

 しかも巨人は、球界屈指の攻撃力を誇るチームだ。パ・リーグの若手投手にとって巨人戦は、現時点での力が本物かどうかを知る上で重要なバロメータとなる。

 言うまでもなく、好投すれば自信がつく。'06年のダルビッシュ有がそうだった。この年、交流戦の第2戦で4回KOされながら第4戦では9回2失点の完投勝利。高卒2年目ながらシーズン12勝を挙げチームの日本一に貢献した彼は、一気にエースの座へと駆け上がった。

「変わった自分」を見せつけ、ただでは負けなかった巨人戦。

 結果からいえば、内海哲也の快投の前に味方打線が沈黙したこともあり、唐川は敗れた。

 確かに敗れはしたが、7安打2失点の完投という投球内容からも分かるように、打ち込まれたわけではない。それどころか、彼が言うように「変わった自分」を巨人相手に見せつけることができた。このゲームでの敗戦はいわば、意味のある敗戦だった。

 どこが変わったのか。

 ボールのキレ、変化球の精度。もともと備わっていた制球力もさらに磨きがかかったことは事実だ。

 だが、それら以上に変わった点がある。先発投手として不可欠な、ゲーム中に配球の組み立てを変えられる修正能力が身に付いたことだ。

【次ページ】 ミスから自力で立ち直り、試合を作る強さを得た唐川。

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