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ニッポン陸上、どうした? 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byJMPA

posted2008/08/19 00:00

ニッポン陸上、どうした?<Number Web> photograph by JMPA

15日に始まった陸上競技。行なわれているのは「鳥の巣」スタジアム。

 連日、恐ろしいほどの盛り上がりを見せている。

 夜の部になると、9万の観客席はほぼ満員だ。フィールド、トラック、行なわれているさまざまな種目に対し、大歓声が起こる。9万の声というのはすごいものだ。

 「陸上は五輪の花形」というが、まさにその通りの光景である。スタジアムの外にも観光客が押し寄せ、五輪らしい華やかな雰囲気になってきた。

 このスタジアムに、すでに多くの日本の選手が登場している。

 だが、思うような結果を残せずにいる。

 15日に1次予選の行なわれた400mハードルの為末大、18日、200mの末続慎吾は世界選手権でメダルを獲得している日本陸上界の第一人者。その2人は、1次予選で姿を消した。

 2人だけではない。日本選手の多くが低調な記録にとどまっているのだ。

 ある競技の成果を測るには、メダルよりもむしろ入賞の数がどれだけ出たか、選手が自己記録を上回れたか、あるいは日本記録を更新できたか。こうした要素で見たほうがよい。

 18日までに出場した中には、上記の2人に加え、金丸祐三、丹野麻美、醍醐直幸、内藤真人といった選手がいた。だが日本新記録はゼロ。自己記録を更新した選手もいない。むしろ大幅に下回って終わる選手が目立つのだ。

 選手のレース後の話を聞くと、この大会に万全な状態で臨めなかった選手が目立つ。故障をかかえて、フォームの修正が間に合わなかった、などなど。

 振り返れば、昨年の世界選手権大阪大会でも、大会前の期待とは裏腹に、連鎖反応を起こしたように出場する選手は不振なままに終わった。

 その反省から、ピーキング、コンディショニングの仕方などを研究し、対策を立てていたはずなのだが……。陸上の後半戦でどのような成績をおさめられるか次第だが、このままでは大阪の二の舞になりかねない。

 北京五輪では、多くの競技で、日本の選手やチームの健闘が目立っている。

 それだけに、この結果は歯がゆい。

 19日以降、どう巻き返していくか、注目したい。

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