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メッシーナ不調の要因。 

text by

酒巻陽子

酒巻陽子Yoko Sakamaki

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photograph byEnrico Calderoni/AFLO SPORT

posted2005/10/25 00:00

メッシーナ不調の要因。<Number Web> photograph by Enrico Calderoni/AFLO SPORT

 柳沢敦が所属するメッシーナが、いまだ勝ち星をあげられず不調にあえいでいる。10月22日のアスコリ戦でも土壇場で今季初勝利を逃した。ザンパーニャのPKで先制し、1−0で迎えた後半ロスタイム。DFドミッツィの退場で10人になったアスコリに追いつかれるという大失態。泥沼ムードを打開できない状況に、フランツァ会長は「あきらめてはならない」とチームに団結を訴えたが、最悪の試合内容にムッティ監督解任説さえ浮上。ホームでのこのような敗戦が重要な意味を持つことは、試合後の指揮官の暗い表情が物語っていた……。

 昨シーズン前半は、サンシーロで鬼門のミランを2−1で下すなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いを見せたメッシーナも、今季は第8節を終了した時点で4分け4敗。メッシーナ神話の崩壊だ。一体どうしたというのだろう。

 今季メッシーナが勝てない理由は、最終ラインから攻撃を組み立てられないことにある。消極的なプレーで相手に簡単にボールを奪われ、反撃を恐れるがゆえファウルを繰り返してしまう。昨季12ゴールをあげた攻撃の核であるザンパーニャの不振も、チームが上昇気流に乗れない一因となった。

 メッシーナの「気の抜けた」プレーに変化をつけるには、思い切って昨季のやり方に戻すべきだ。セリエBから昇格したメッシーナが「ドリーム」を生み出す基盤となった4−2−3−1のシステムを復活させ、左右への展開を狙えば、アクセントのある攻めも可能なはずだ。それぞれの選手に明確な役割を与えて調子の出ないザンパーニャの負担を軽くさせるといった策が、セリエAではそこそこ通用するということを、今季のムッティ監督は忘れているような気がする。

 そして、ここで柳沢の登場だ。メッシーナの「パスのスペシャリスト」である柳沢を、ベンチで飼い殺しにしておくのはもったいない。メッシーナのFWは、ザンパーニャにしてもディ・ナポリにしても、セリエB上がり独特の、強引なまでのボールキープから突破を図るプレーを決して崩さない。うまくいけば昨季のようにゴールを量産するものの、不調となれば極端に動きが落ちてしまう浮き沈みの激しいタイプが多い。しかも連携がおろそかになってしまう。そこでヤナギのように献身なプレーができる選手を中心に「シンプルなプレー」に努めれば、きっと勝ちゲームは増えると私は考えている。

 これからの一戦一戦の結果がもつ意味は大きいゆえ、「一発でウラをとれるようなプレーをする」と闘志をみなぎらせるヤナギの言葉に、監督が刺激されることを心から願っている。

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