敗者のままで終わらない男、ファーガソン。

　もちろん、バルセロナの主力に、23歳のメッシをはじめ若手が多いことを考えれば、打倒「世界最強」は困難を極める。

　だがファーガソンは、25年前の就任当初には不可能と思われたリーグ優勝回数での打倒リバプールを、今季の通算19度目の優勝としてマンＵにもたらした監督だ。タイトル独占は堅いと思われたジョゼ・モウリーニョ率いるチェルシーのプレミア連覇を3年目に阻止したのも、ファーガソン率いるマンＵだった。

　敗者のままでは終わらない男なのだ。

　試合前に「挑戦者の立場は望むところだ」と言っていたファーガソンにとって、本当の“チャレンジ”はこれから始まる。

　今年で70歳になる指揮官は、最低1年間の続投を既に認めている。実際には「あと5年間」という関係筋の声もある。同時に、オーナーがローンの借換えに成功したことで利用可能な資金が220億円を超え、80億円という今夏の補強予算規模も聞こえてきた。バルセロナには完敗したが、ファーガソンのマンＵは終わってはいない。