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「王子騒動」に対策を。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byHideki Sugiyama

posted2007/06/29 00:00

「王子騒動」に対策を。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

 今年の全日本大学野球選手権は早大の33年ぶり日本一で幕を下ろした。相変わらず斎藤佑樹(早大・投手)の人気はものすごく、昨年までなら隣席に人がいないのが常なのが、今年は準決勝の創価大戦がすし詰め状態。「混雑した中で野球を見るのは死ぬほど嫌い」だと思っていたのが、「こういう中で野球を見るのも面白い」と変節してしまった。

 東京六大学リーグは4/14の東大戦、4/29の法大戦、5/7の立大戦、6/3の慶大戦の4試合見て、大学選手権は6/14の九州国際大戦、6/16 の創価大戦を見た。そこで思ったのは、新たなファン層が開拓されたということ。前の席にいた60歳くらいの夫人が夫らしき年配の男性に「はい」と手渡したものはプレーンヨーグルトにオレンジやバナナを混ぜた食後のデザートだった。こんな風景は初めて見た。

 また後ろの席にいた年配の女性3人は「須田(幸太)クンが言っていたわよ」とか「後藤(貴司)クンと知り合いだったみたい」とか、早大野球部員をクン付けで話題にしていた。須田たちはどう見ても彼女たちの孫の世代だと思うのだが。もちろん、斎藤だけは「斎藤クン」ではなく、「佑チャン」と呼ばれていた。思わず、「オバハン、あんたら何者なんや?」とツッコミたくなった。

 さて、“ハニカミ王子”こと、中学生ゴルファー石川遼の場合でも人気者ゆえの混乱が試合会場で起こっているようだが、神宮球場も例外ではなかった。そして、神宮球場でマナー違反をしていたのは僕が見た範囲では全員、「お爺ちゃん」と呼んでもいい年配の男性ばかり。

 家に帰って孫たちに見せるのだろう、カメラで斎藤の姿を激写していた。それは一向に構わないのだが、試合中なのに彼らはしばらく(20〜30秒くらい)立ち上がってシャッターチャンスを待つのである。僕は相手が誰であっても試合観戦を邪魔されたくないので、真ん前で立ち上がってしばらく腰を下げようとしないお爺さんの背中を公式名簿(1000円もする広告ばかりの1冊)で叩いて座らせたが、「ごめんなさい」のひと声さえ聞けなかった。

 ハニカミ王子騒動ではマナー違反したギャラリーを退場させる案が出ているらしいが、神宮球場でも何か対策を練ったほうがいいと思う。退場処分は重過ぎるので、注意くらいが適当だろう。しかし、球場内で係員が入場者に注意するという光景を、僕は何千試合と通いながら一度も見たことがない。ファンがファンを注意するというのは後味が悪いので、球場側はマナー違反者に対してもっと積極的に注意を与えてほしい。

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