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MLB管理下に置かれた
ドジャースの見えない明日。
~コミッショナー強制介入の内実~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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posted2011/05/17 06:00

MLB管理下に置かれたドジャースの見えない明日。~コミッショナー強制介入の内実~<Number Web> photograph by AFLO

問題のオーナー、フランク・マッコート氏と妻。離婚騒動が明るみに出る前の2ショット

 経営悪化が表面化していたロサンゼルス・ドジャースに対し4月20日、大リーグのバド・セリグ・コミッショナーが、同球団を管理下に置くことを発表した。「偉大なファンのためにも、球団の利益を守るうえで、財務や運営の状況を監視する必要がある」

 ヤンキース、レッドソックスと並ぶ歴史と伝統を持つ人気球団への強制介入は、米球界でも大きな波紋を広げた。

 豊富な資金力で知られたドジャースは2004年、不動産王のフランク・マッコート氏がオーナーになって以来、一気に経営状況が悪化した。'09年からは、共同オーナーでもあった同氏の妻との離婚に伴う財産分与問題が泥沼化。米紙の報道によると、マッコート氏の負債額は約330億円にも及ぶと推測される。さらに、4月上旬には同氏が選手の給与支払に充てるため、前オーナーグループでもあるFOXから約25億円を借り入れたことが判明した。セリグ氏の忍耐力も限界だった。

今後は、球団内での経費運用にもチェック体制を強化。

 大リーグ機構が球団の運営に介入したのは今回が初めてではない。'02年、モントリオール・エクスポズが深刻な財政難に陥り、売却先が見つからなかった際、大リーグ機構が約120億円で所有権を購入。本拠地をワシントンに移すなどの改革を進め、4年後に売却するまで直轄運営した。昨年、レンジャーズの売却問題が紛糾した際には、交渉過程を管理し、選手の給与も貸与した。日本球界ではおよそ考えられないことだが、それほどコミッショナーの権限が強く、各球団の経営状態についての管理体制は極めて厳しい。

 今回のドジャースに対しては、元レンジャーズの社長で前駐日大使のトム・シーファー氏を管理担当に起用し、既に徹底的な財務調査を始めている。今後は、球団内で5000ドル以上の経費運用すべてに同氏の認可が必要とするなど、チェック体制も強化した。

 シーファー氏は「今もマッコート氏がドジャースのオーナー」と話し、同氏やコレッティGMとの会合を続けている。その一方で、今回の「セリグ裁定」は単なる監視ではなく、売却を前提にした介入とも言われる。調査期限のメドは年内とされているものの、名門ドジャースの行く先はまだ見えてこない。

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