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好発進だった斎藤&澤村の課題は、
アンバランスな投球術の修正にあり。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byHideki Sugiyama

posted2011/05/08 08:00

好発進だった斎藤&澤村の課題は、アンバランスな投球術の修正にあり。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

4月21日の阪神戦でプロ2度目の先発マウンドに立った澤村は、ピンチの連続も変化球を効果的に使い、7回を6安打1失点に抑えてプロ初勝利を挙げた

 今季のプロ野球において、前評判の高かった主な新人の4月30日までの成績は次の通りである。

<パ・リーグ>

牧田和久(西武) 3試合、0勝2敗、防御率2.78
斎藤佑樹(日本ハム) 2試合、2勝0敗、防御率3.27
美馬学(楽天) 4試合、1勝1敗1HP、防御率6.75
秋山翔吾(西武) 11試合、打率.171、本塁打0、打点3、盗塁2
伊志嶺翔大(ロッテ) 10試合、打率.250、本塁打0、打点0

<セ・リーグ>

榎田大樹(阪神) 5試合、0勝0敗3HP、防御率1.50
澤村拓一(巨人) 3試合、1勝1敗、防御率1.71
久古健太郎(ヤクルト) 3試合、1勝0敗1HP、防御率4.50
福井優也(広島) 2試合、1勝0敗、防御率1.38
岩見優輝(広島) 3試合、0勝0敗、防御率0.00
須田幸太(横浜) 1試合、0勝0敗、防御率3.00

 少し気が早いが、今季の新人王を占えば、その最右翼はパ・リーグが斎藤、セ・リーグが澤村ということになるだろう。

先入観を逆手にとる、斎藤佑樹の巧みな投球術。

 斎藤のピッチングについてはシーズン前に予想した通りの結果になっている。

 まず、誰もが話題にするストレートを考えてみよう。

 テレビは伸びのあるストレートで打者が空振りしたり、見逃したりする映像とともに斎藤を紹介するが、実際の試合でそういうストレートを投げることは非常に少ない。以前このコラムでは明治神宮大会の神奈川大戦を例に出して「ストレートは全体の26パーセントにすぎない」と書いた。

 打者は、テレビが流す斎藤のピッチング・イメージの影響も少なからずあるせいか「ストレートもあるぞ」と気を引き締めて打席に立つが、そういう先入観を逆手に取って打者を翻弄するうまさが斎藤にはある。

 デビュー戦のロッテ戦で斎藤が投げたストレートは13球で、全体に占める割合は神奈川大戦からさらに低くなり、わずか14パーセントにすぎなかった。

 サブロー 「振らされてしまった」

 今江敏晃 「球が速いわけでもなく振らされた感じ」

 金森栄治打撃コーチ 「佑ちゃんワールドに引き込まれた」

(4月18日付け「スポーツニッポン紙」より)

 これらのコメントからは、ストレートを想定して打席に立ったロッテ各打者のとまどいが伝わってくるようである。

 低めボールゾーンに逃げていくフォークボールを追いかけて空振りするシーンも目立ったが、ストレートが頭になければこういうボールに手を出すことはまず考えられない。

【次ページ】 斎藤は課題であるストレートの強化に踏み込めるか?

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