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ひとつの時代にピリオド。早明に相次いだ異変。 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byShinsuke Ida

posted2008/12/04 00:00

ひとつの時代にピリオド。早明に相次いだ異変。<Number Web> photograph by Shinsuke Ida

 「そうか……」

 11月16日の名古屋・瑞穂。日本×アメリカ戦のハーフタイムには、プレス室のあちこちでため息が聞こえた。

 少なくない取材者は、目の前の代表の戦いを注視しながら、秩父宮で1時間早く始まった紫紺の軍団の戦いを案じていた。すでに3敗を喫していた明大は、この日に無敗の帝京大を破らなければ、大学選手権への連続出場が途切れてしまう。

 しかし、届いた結果は冷酷だった。スコアは12対39。重戦車と謳われ、幾多の英雄を送り出してきた明大が、大学選手権に出場すらできずにシーズンを終えるのは実に24年ぶり。平尾誠二率いる同志社大が史上唯一の大学3連覇を達成した'84年度以来の出来事だった。

 その2週間前には、もうひとつの大記録がピリオドを打った。11月1日、早大が帝京大に7対18で敗れ、対抗戦グループでの連勝記録が53でストップしたのだ。その前の敗戦は2000年11月、海の向こうで息子ブッシュが米大統領に選ばれた頃のこと。以来8年の一国繁栄時代を経て、“CHANGE”を掲げたオバマが勝利した年に、奇しくも日本の大学ラグビーでも歴史が動いた。

 「連勝は全く意識していなかった。清宮さんには謝らないといけないけど、僕自身はいい経験ができたと思っている」

 帝京大に敗れた後で、早大の中竹竜二監督は言った。強がりだったかもしれない。しかし、何事も永遠ではありえない。終わりがあるからまた始まりがある。

 「選手は負けた後は落ち込んでました。でもそれが正常ですよ。僕らスタッフはあえて手を差しのべずに静観しました」

 翌日はジュニア選手権でBチームが帝京大と対戦し、38対5で完勝。勝利の立役者となった1年生のNO8山下昂大、2年生のCTB坂井克行ら4人は、1週間後の日体大戦で今季初めて先発に起用され、慶明を連破した相手を84対8で一蹴する原動力となった。

 「悪いときはきっとまた来るし、選手たちが自分で立ち直ったことが頼もしい」

 12月7日には早明戦が行われる。早大は帝京大に雪辱して大学の頂点を掴むために、明大にとっては来季の復活のために、ともに伝統の一戦を再出発のステップに据える。長く鎬を削ってきたライバル同士、意味のある戦いを見せて欲しい。

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