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本命不在か?女子マラソン、勝負の行方。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

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posted2004/07/29 00:00

 アテネ五輪開幕がいよいよ近づいてきた。日本選手団すべての顔ぶれが決まり、史上初めて女子の人数が男子を上回ることが確定した。活躍が期待される女子の中でも、注目度No.1はやはりマラソンだろう。

 野口みずき(グローバリー)、坂本直子(天満屋)、土佐礼子(三井住友海上)の日本勢はそれぞれ海外で順調に調整を続けている。外国人のライバルたちも同様に最後の追い込みに入っているが、金メダルの最有力候補と見られていたキャサリン・ヌデレバ(ケニア)が、7月4日に行われた札幌国際ハーフマラソンで1時間10分52秒の5位と失速した。

 レース前のヌデレバは、「この大会に合わせてきた。ここでいい結果が出ればアテネでもいい結果が出る」と自信満々だったが、いざスタートしてみるとまったく先頭集団についていけない。優勝した大南博美(UFJ銀行)に2分以上も引き離される完敗だった。

 アテネは平坦なところがほとんどないタフなコースだが、ヌデレバは「コースに合わせた練習はしていない。大事なことは私がどう走るかということ」と言い切った。アテネに向けての練習も「米国に戻ってから本格的に始める」としている。それが本当なら札幌での失速もある程度納得がいくが、本番まで1カ月半となった段階でまだ本格的なトレーニングをしていないとは考えられない。

 実際、昨年は同じ札幌で圧勝して世界選手権の金メダルにつなげている。走り込みの時期で疲れがたまっていたのかもしれないが、それにしても札幌での走りは悪すぎた。フォームにキレがなく、スピードもなかった。調整が遅れているのは明らかで、日本勢にとっては“追い風”と言ってもいいのではないだろうか。

 世界記録保持者のポーラ・ラドクリフ(英国)はまだ出場種目を表明していないが、もしマラソンに出場するとしても、暑さとアップダウンがきついアテネの難コースでは、2時間15分25秒の世界記録を作った時のような走りは難しい。むしろヌデレバの方が強敵と見られていただけに、このまま調子が上がらなければ日本勢の活躍がますます期待できる。

 いずれにしても、ベストの状態でなければアテネの難コースでは勝てない。残り1カ月。勝負はこれからの過ごし方で決まる。

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