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佐藤義則が鍛えぬく日ハム投手陣に期待。 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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posted2006/01/12 00:00

 選手の気持ちがわかる二人の投手コーチの存在が、来季、チーム浮沈のカギを握ると言われている。一人はソフトバンクから巨人に移籍した尾花高夫。もう一人は、日本ハムの二軍から一軍に昇格した佐藤義則である。ともに、現役、コーチとして優勝経験を持ち、“戦うコーチ”としての評判は高い。ピッチャーはマウンドでの気持ちの持ち方ひとつで大いに変身できる。それだけに二人の就任は楽しみだ。

 北海道の離島、奥尻島出身の佐藤。オリックスを引退し、阪神のコーチとして優勝を経験した後、北海道に根付いたチーム作りを目指す日ハムから誘われたのは昨年だった。函館有斗の恩師、上野美記夫に相談すると、「故郷に恩返しをするのは筋だろう」と言われ、他球団からの誘いを断わって二軍コーチに就任した。そして来季から、5位に終わった一軍の建て直しを任されることになった。須永英輝、正田樹など、良い素材を持ちながらなかなか結果を出せない若手を育てるべく、高田繁GMに請われたのだ。

 「投手が弱いのに、一番練習時間が短いし投げ込まないから強くならないんだ」と言い切る佐藤は、余分な練習をしないヒルマン式が行き届いているチームで、あえて起爆剤になる覚悟を持っている。

 千葉・鴨川での秋季練習では、「消耗品という考えを捨てて、鍛えて強い肩を作ろう」と提唱する佐藤に、早くも賛同者が出ている。筆頭は今年6月に一軍に上がるまでつきっきりで佐藤の指導を受けたダルビッシュ有で、つられるように、須永、武田久らも精力的に練習し、例年になく投げ込む日ハム投手陣の姿が見られた。「おととし優勝した阪神の投手陣と比べても、決して劣る戦力ではない」と、佐藤も自信を深めている。

 二軍コーチ時代は、鎌ヶ谷の合宿所で暮らし、選手にこう伝えていた。

 「部屋のカギを開けておくから、聞きたいことがあったらいつでも来い。ただし夜9時を過ぎたらオレは飲みに出かけるからな」

 最初は遠慮気味だった若手も、ポツポツと扉を叩き、無類の酒好きを頼りにし始めた。

 「北で生まれた人間の特徴は粘り強さ」と言う佐藤の投手陣再建は、始まったばかりだ。

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