SCORE CARDBACK NUMBER

PRIDE消滅危機でファイターは就活中。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

PROFILE

photograph bySusumu Nagao

posted2007/08/23 00:00

PRIDE消滅危機でファイターは就活中。<Number Web> photograph by Susumu Nagao

 UFCか、それともHERO'Sか? 今春までPRIDEで活躍していた選手たちが新天地を求め始めた。格闘家は闘うのが仕事。いつまでもPRIDEへの愛や思い出を語っているだけでは食べていけない。アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラがオクタゴンデビューを果たしたのは記憶に新しいが、8月5日にはパウロ・フィリォがUFC傘下のMMAイベントWECに登場した。フィリォの例を出すまでもなく、海外のPRIDEファイターの視線は日本からアメリカに向けられつつある。

 同様に日本のPRIDEファイターの中にもアメリカに活路を求める者がいる。9月22日のUFC76に出場することになった吉田道場の中村和裕と小見川道大だ。「少なくとも年内の再開はない」と噂されるほどPRIDEが長い冬眠状態に入った現在、UFCがMMA最大のメジャーな舞台になったことは疑いのないところ。今後もオクタゴンを目指すPRIDEファイターは増えていくことが予想される。

 その一方で、地上波のゴールデンタイムで唯一放送中のHERO'Sに興味を抱き始めた選手もいる。すでに田村潔司は7月16日のHERO'Sに“PRIDEの刺客”として参戦した。さらにPRIDEライト級王者の五味隆典もHERO'Sに興味を持っているという発言を繰り返している。以前から国内で活躍したいという気持ちが強い男だけに、HERO'S参戦は時間の問題と思われる。ただ、年間3大会程度しか開催しないHERO'Sでは旧PRIDE組からの受け入れ人数も限られてくる。かつては修斗やDEEPをステップにPRIDEを主戦場にしたがる選手が多かったが、これからはUターン現象が起こるかもしれない。

 PRIDEからUFCに転出しようとしても問題は山積みだ。そもそもUFCは契約の縛りがきつく、最初のファイトマネーも驚くほど安いと聞く。勝ち上がっていかなければ、巨額の富を得ることはできないシステムになっているのだ。そのシステムに拒絶反応を示して、UFCからのオファーがありながら参戦を拒絶している日本人選手もいる。もう一度国内のMMA復興を考えたら、PRIDEに匹敵する規模の新たなビッグイベントの誕生を待つしかないのか。

関連キーワード
HERO'S
UFC
PRIDE

ページトップ