SCORE CARDBACK NUMBER

万全の体制を得て、王座獲得に挑む玉田誠。 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

PROFILE

photograph bySatoshi Endo

posted2004/12/28 00:00

万全の体制を得て、王座獲得に挑む玉田誠。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 '04年、MotoGPクラスで2勝を挙げた玉田誠が、来季、ブリヂストンからミシュランにタイヤを変える。MotoGPクラスは、現在、どのメーカーも240馬力前後と言われ、エンジンがタイヤのポテンシャルを上回っている時代でもある。それだけに、玉田のタイヤの変更は、期待と同時に不安を抱かせるものだ。凶と出るか吉と出るか……。その最初のテストが、11月、スペインのヘレスとバレンシアで行われた。結果は手ごたえあり。ヘルメット越しに見える目の表情が、ヘルメットを取ったときの会心の笑顔が、それを雄弁に物語っていた。

 ミシュランは、'70年代にグランプリ最高峰クラスへの挑戦を開始し、以来この世界に君臨している。過去29年間で24回のタイトルを獲得、この13年間は敵なしの状態だ。一方、ブリヂストンは、'02年にチャレンジャーとしてMotoGPクラスに参戦。'04年はブリヂストンのエース玉田が2勝を挙げて、大きな注目を集めた。ブリヂストンが玉田の勝利に大きく貢献したことは間違いないが、その一方で、ミシュランに比べまだまだ安定性に欠ける面もあり、ホンダ勢で唯一ブリヂストンを使っていた玉田も、来季はミシュランへスイッチすることになった。

 玉田は「来年は勝てる条件がすべて揃った。あとは僕次第」と力強く抱負を語る。マシンはホンダ。タイヤはミシュラン。これが現在のMotoGPクラスのベストパッケージである。メーンスポンサーには日本企業の「コニカミノルタ」。彼が所属することになる新チーム「ジャパン・イタリア・レーシング」(エントリー名/コニカミノルタ・ホンダ)は、その名の通り、日本人とイタリア人の混成チームだが、玉田を世界チャンピオンにするための一大プロジェクトでもある。

 ホンダOBでチーム代表の飯田哲男氏は、「長年ホンダで学んだチャレンジスピリットの実践実行。日本人初のMotoGPチャンピオンを誕生させる。そのために作ったチームだ」と力強く語った。日本のバイクメーカーは、すでにグランプリで数々の偉業を達成してきたが、最高峰クラスの日本人チャンピオンはまだ誕生していない。玉田への期待は、日本人の夢という言葉に置き換えていいのかもしれない。シーズンオフに訪れる変化は、いつの時代もわくわくさせてくれるものだ。

関連キーワード
玉田誠

ページトップ