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ケガの記憶吹き飛ばす、デイビスの豪快ダンク。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

posted2007/05/31 00:00

 今年のNBAプレイオフの台風の目は、何といってもゴールデンステイト・ウォリアーズだった。走り回り、攻めまくり、3ポイント・シュートを打ちまくりと、ある意味、常識を覆したスタイルで相手チームのペースを引っ掻き回していた。

 実際1回戦では、レギュラーシーズンでリーグ最多の67勝をあげて優勝候補だったダラス・マベリックスがウォリアーズのハチャメチャなペースに巻き込まれて自分たちを失い、早々と姿を消してしまった。第8シードが第1シードを破るという大番狂わせだ。

 そのウォリアーズにとってなくてはならない選手が、NBA8年目のポイントガード、バロン・デイビスだ。2002年と2004年にオールスターにも選ばれている実力派だが、故障が多いこともあり、最近では半ば忘れられた存在だった。

 そんなデイビスが生き返ったのは、今シーズン、ドン・ネルソンがウォリアーズのヘッドコーチになってからだった。どこにいってもラン&ガンの高得点チームを作るネルソンは、デイビスの能力を信じ、その能力を最大限に引き出すために彼に多くを求めた。これまで多くの名選手をコーチしてきたネルソンが、「バロン・デイビスを上回る選手をコーチしたことはない」と言うのだから、その期待の高さがわかるというものだ。

 デイビスもその期待に答え、特にシーズン終盤からプレイオフにかけて大活躍。プレイオフを通してのデイビスの成績は一試合平均25.3点、6.5アシスト、4.5リバウンド、2.9スティールで、多くの専門家が、彼こそプレイオフ序盤戦のMVPだと絶賛している。プレイオフ2回戦、対ユタ・ジャズ第3戦で、ジャズのアンドレイ・キリレンコの上から決めたダンクは、それだけで彼の長年の怪我のことを忘れることができるくらい、強烈なシーンだった。

 久しぶりにバスケットボールを満喫しているというデイビスは、これまで何度も人から見放され、故障で苦しんだことが、今のやる気の元になっていると言う。

 「なぜ自分だけと思ったこともあった。でも、僕の人生の道のりが他の選手とは少し違うだけなんだと思うようになった。まったく、バスケットボールの神様のやることはわからないね」

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