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混迷のクラシック戦線、ついに主役が登場か? 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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posted2008/03/13 00:00

 「モノが違う!」と、安藤勝己騎手から超強気の発言を引き出したサダムイダテン(牡3歳、栗東・中村均厩舎)が、共同通信杯であっさり馬脚を現した。もちろん、あの5着だけで見限ってしまうのは早計というものだが、少なくとも断然の主役ではないことだけははっきりしてしまった。

 「キングカメハメハのような雰囲気」と、こちらは追い切りで騎乗した武豊騎手に最高級のコメントでほめられたブラックシェル(牡3歳、栗東・松田国英厩舎)も、きさらぎ賞でその末脚が不発に終わり、スターの座に就くことはできなかった。

 重賞を2つ以上勝った馬がいまだに存在していない事実が象徴しているように、今年の牡馬クラシック戦線は明らかに小粒。3月というのに、ダービーどころか、皐月賞でなにが主役視されるかさえ、見えていないのが実情だ。しかしこれは昨年も同じことではなかったか。つまり、サンデーサイレンス産駒の供給がストップしたことと見事に重なっているのだ。歴史的なスーパー種牡馬を失った競馬は、今後もかなり長いスパンで混戦クラシックという構図を生み出すに違いない。これは、受け入れなければならない現実なのだ。

 そこへようやく現れたのがサイレントフォース(牡3歳、美浦・藤澤和雄厩舎)という期待の新星だ。2月17日の東京芝1600mでデビューし、最初から最後まで馬なりのまま圧勝。もっと相手が強化され、本気で追い合いになったときにさらに伸びるかどうかはわからないが、勝ち方としては上級のSS産駒のようなムードを十分に醸し出しているように感じた。父はシンボリクリスエス、母はSSを父に持つ重賞勝ち馬サイレントハピネス。初戦は北村宏司騎手の手綱だったが、次は武豊騎手にチェンジして弥生賞に挑戦する段取りが組まれている。これがこけるようなら、本当に掴みどころがない混戦ということになる。

 藤澤和厩舎は、その翌週にカジノドライヴ(父マインシャフト)という大物を初出走させた。2着に2秒3もの大差をつけて快勝したこちらは、米国クラシックに参戦とのこと。そういう采配も、サイレントフォースの成功を確信しているから、と深読みができる。

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