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ドン・ネルソンの復帰でウォリアーズは蘇えるか。 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2006/11/09 00:00

 NBAの新シーズンはいくつかの新しいニュースとともに始まった。合成皮革の新公式ボール。コービー・ブライアントの新しい背番号、24。ドラフト1位指名でNBA入りするイタリア人選手、アンドレア・バーニャーニ。

 そして、忘れてはならないのが、夏にゴールデンステイト・ウォリアーズのヘッドコーチに復活したドン・ネルソンだ。66歳で27年のNBAコーチ経験があり、しかもウォリアーズ・ヘッドコーチになるのも2度目のネルソンを「新しいもの」に入れることを不思議に思う人もいるかもしれない。しかし実のところ、ネルソンほど新しいNBAの象徴としてふさわしい人はいない。

 たとえば、フェニックス・サンズの成功で今シーズンはさらにリーグに流行しそうなスモールボール(小型のラインナップを組んでの試合)は、ネルソンが10年以上前、前回ウォリアーズのコーチだったときにやっていたことだった。最近増えてきた高得点、オフェンス中心の試合展開も昔からのネルソンのトレードマークだ。ヨーロッパの選手にいち早く目をつけ、今のNBAの国際化への道をつけたのもネルソンだった。

 「リーグが今やっていることを、彼は何年も前からやってきた」と、現ウォリアーズ副社長で、かつてネルソンの教え子でもあったクリス・マリンは言う。

 ネルソンは、新生ウォリアーズをかつてのようなスモールボールでアップテンポなチームに作り変えるという。「このメンバーで作れる最高のチームは小型チームだ」とネルソン。「それにスモールボールを私ほどうまく教えることができるコーチは他にいない」と、当然のようにつけ加える。

 これまで何度も低迷チームをプレイオフまで導き、1190勝880敗のレギュラーシーズン成績を持つネルソンだが、実はコーチとして優勝したことは一度もない。そのために「ネルソン式のオフェンス偏重チームは優勝できない」などと批判されることもあった。しかし、ことによるとネルソンの弱点は、単に時代より先に進みすぎていたというだけのことだったのかもしれない。

 時代がようやく彼に追いついたように見える今、次はどんな新しいことを見せてくれるのだろうか。

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