SCORE CARDBACK NUMBER

日本人初の快挙! 福島晋一の新たな挑戦。 

text by

森高多美子

森高多美子Tamiko Moritaka

PROFILE

photograph byHideki Sugiyama

posted2004/06/17 00:00

日本人初の快挙! 福島晋一の新たな挑戦。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

 5月23日から30日にかけ、日本版ツール・ド・フランスともいうべき第8回ツアー・オブ・ジャパンが開催された。大阪を皮切りに全6ステージ、815・16kmを走る個人総合は、ブリヂストンアンカー(アンカー)の福島晋一が日本人として初めて優勝した。過去7回の大会で日本人はわずか3人が3ステージを取ったのみ(うち1人は福島)。ツール・ド・フランスと比べれば格の違いはあるものの、海外のプロチームが参加する大会で福島が優勝したことは、日本のロードレース全体のレベルが確実に上がりつつあることを証明した。

 第2ステージの奈良で首位に立ったのは愛三工業(愛三)の別府匠。このとき福島は2秒遅れの2位。第3ステージの修善寺は、1カ月前、五輪選考会で福島が涙をのんだコースだ。ここで首位に立ってリベンジするつもりだった福島だが「実際は、2秒差を守ることさえぎりぎり」だった。

 第4ステージの茂木(ルビ―もてぎ)は平坦基調で、この手のコースを得意とする愛三のチーム戦術の前に福島は何もできない。最終日の東京はさらに平坦。福島は第5ステージの宇都宮に賭けるしかなかった。

 五輪選考に敗れたあと「駆け引きをせず、力でねじ伏せて勝てる偉大な選手をめざします」と宣言した福島だが、宇都宮での走りはまさにその言葉どおりだった。福島の驚異的な回復力は今回も真価を発揮した。

 スタート直後に自ら仕掛け、別府ら他の選手を振り払っていく様は、さながら横綱相撲のようだった。福島が「ハゲタカのようにずっと僕が弱るのを待っていた」という海外勢も、最後まで福島に襲い掛かることはできなかった。福島は、ここで首位に立つ。

 最終日、第6ステージの東京で、アンカーは福島のライバルを封じ込めることに力を注いだ。これまで、才能のある選手が多いことでかえって難しかったチームの結束という課題を乗り越え、福島とアンカーは大きな勝利を手に入れた。

「僕がツール・ド・フランスに出なければ、いつまでも日本と世界の距離は縮まらない」

 福島にとって、ひとつのタイトルはそのまま新たな挑戦を意味している。ツール・ド・フランスをめざすアンカーと福島自身にとって、今回の優勝は大きな弾みとなるだろう。

ページトップ