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ブラウンGPの快挙を
支えた“革命児”のDNA。
~ヴァージン・レーシングへの布石~ 

text by

田邊雅之

田邊雅之Masayuki Tanabe

PROFILE

photograph byMami Yamada

posted2009/12/21 06:00

ブラウンGPの快挙を支えた“革命児”のDNA。~ヴァージン・レーシングへの布石~<Number Web> photograph by Mami Yamada

 チーム発足1年目で二冠を獲得(コンストラクター部門とドライバー部門)。今季F1で最も注目されたのが、ブラウンGPだったことは間違いない。

 同様に大きな話題を集めたのが、チームのスポンサーを務めたヴァージン・グループである。白を基調とする車体に描かれた「Virgin」の赤いロゴは、チームの躍進と相まって、F1ファンの目に一際鮮やかに映った。

未知数のブラウンGPをヴァージンがサポートした理由とは?

 この「幸福な結婚」は、いかに実現したのか。来日したヴァージン・アトランティック航空の社長、S・リッジウェイ氏によれば、ブラウンGPとの契約は、モータースポーツに親しんできた自身の経験や人脈を背景に結ばれたという。

 シーズン開幕前、チームの実力は未知数だったはずである。不安を感じることはなかったのだろうか?

「たしかに大企業は、既に名声や実績を確立した名門と組みたがる傾向がある。

 でもそれじゃ面白くない。むしろ僕達は、不利だと思われているようなチームを応援して大化けさせた方が楽しいし、よりPRの効果が得られるとも思ったんだ。ブラウンGPとのプロジェクトは理想的な成果をあげたけど、聖書の逸話に出てくるように、小兵が“巨人”を倒すのは、スポーツの醍醐味でもあるからね」

ヴァージンの「文化」がスポーツを後押しする。

 リッジウェイ氏の説明によれば、このようなスタンスは、ヴァージン・グループの「文化」にも由来している。

「ヴァージン・アトランティックは、独自の手法で他社と差別化を図ることによって成長してきた企業だ。飛行機の機体や路線は同じでも、斬新なアイディアと目標に挑んでいく勇気さえあれば必ず道は拓けていく。リチャード(ブランソン=ヴァージン・グループの創業者)以下、誰もがこういう考え方を共有してきたんだ。ヴァージンの“DNA”には、チャレンジスピリットが組み込まれている。表現を変えれば、組織の体質そのものが、スポーツと極めて親和性が高いということは言えるんじゃないだろうか」

 佐藤琢磨への個人的なサポートを含め、ヴァージン・アトランティック航空は、F1以外の様々なスポーツでも積極的に活動を展開中。その中には、当然ながら来夏のW杯南ア大会も含まれる。次はどのような薫風をスポーツ界に運んでくるのだろう。

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