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優勝候補のキングスが失った貴重な潤滑油。 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2004/12/16 00:00

 サクラメント・キングスの優勝へのドアはまだ開いているのだろうか。

 この数年、優勝候補にあげられながら何度もロサンゼルス・レイカーズにファイナルへの道を阻まれていたキングスにとって、仇敵レイカーズのチーム再編は願ってもないニュースのはずだった。何よりも、シャキール・オニールがマイアミ・ヒートにトレードになったことは大歓迎のニュースだった。

 しかし、オニールのトレードはキングスにも思わぬ余波をもたらした。オニールが抜けたあとのセンター陣を補強するため、レイカーズはキングスの先発センターでFAだったブラデ・ディバッツに契約をオファーしたのだった。36歳のディバッツのキングスでの役割は年々小さくなっており、ディバッツは迷うことなく古巣でもあるレイカーズと契約した。

 戦力だけを考えれば、キングスにはディバッツの穴を十分埋められるだけの選手たちがいる。しかし、何といってもディバッツはキングスの潤滑油のような存在だった。コート上では巧みなパス能力でオフェンスの流れを作り出し、ロッカールームでも明るくまわりを気遣い、コミュニケーションを滑らかにしていた。ディバッツが抜けた途端、クリス・ウェバーとペジャ・ストヤコビッチの間がぎくしゃくし、ストヤコビッチがトレード志願を口にしたのも、決して偶然ではない。

 「ブラデがいない今、このチームは去年と同じではない」とウェバーも言う。

 11月26日、キングスとレイカーズが対戦した。3点差の接戦をキングスが勝った後、キングスのロッカールームを訪ねたディバッツを前に、ストヤコビッチは「ブラデとはサクラメントとナショナルチームでずっとチームメイトだった。彼はいつも『ペジャ、そうだ、がんばれ』と言ってくれていたのに、きょうはいきなり『ヤツはびびってミスするぞ』だからね」と苦笑した。「僕だって勝ちたいからね」とディバッツが言うと、ロッカールームが一瞬、昨季までのような笑い声に包まれた。

 1勝4敗で開幕スタートを切ったキングスは、このレイカーズ戦で7連勝目をあげて立て直し、11月27日現在8勝4敗の成績だ。しかしシーズンの先行きに対する不安は依然として漂っている。ディバッツの姿が、そのことを改めて思い出させた。

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