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42回目の12月15日、
また思い出すあの夜。 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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posted2006/01/12 00:00

 卓上カレンダーの枚数が残り少ない。また今年も「12月15日」が過ぎた。

 あなたは力道山をどのくらい知っているだろうか。暴漢の凶刃に倒れてから42年の月日が流れた。享年39。

 筆者は当時、入社2年目のボクシング担当記者。リキ・ボクシング倶楽部オーナーの力道山は知っていても、プロレスラー・力道山の肉声には触れていない。

 彼が亡くなった夜、取材で遺体が運ばれた赤坂の自宅、リキ・アパートに飛んだ。暴力団が絡んだ事件ということもあり現場は異様な雰囲気。寒さも吹き飛び、全身が硬直したことを覚えている。怖かった。これが筆者のプロレス初遭遇だった。あの一夜は記憶からは消せない。

 今年の命日の2日前、来春3月に一般公開予定の日韓合作の映画『力道山』(ソン・へソン監督)を観た。上映時間は149分。だがその長さは感じない。劇中に登場する人物に健在な方が多いだけに、鮮烈であまりにも生々しかった。と同時にその生き様を改めて見せつけられ、忘れかけていたプロレス胎動の熱い時期と戦後の世相を反芻させられた。

 力道山に扮した韓国の男優ソル・ギョングには、短期間でよくぞここまで日本語をマスターしたものだと感服させられ、プロレスシーンも出色。秋山準扮する遠藤幸吉、武藤敬司のハロルド坂田(トシ東郷)、マイク・バートン、ジム・スティールがシャープ兄弟を演じるなど全日本の常連外国人レスラーも登場してリアルに楽しめる。プロレスファンなら手放しで喜べるシーンが随所に見られた。

 今年7月に急死した橋本真也さん(享年40)が横綱の東富士に扮し、スクリーンで最後の雄姿が見られるのも話題だが、明らかに太り過ぎで体調不良に映ったのは気のせいだろうか。

 この映画製作に特別協力したのは力道山の次男でノア取締役の百田光雄氏だ。光雄氏の長男、百田力(24)も力道山の門下生役で出演。180cm、95kgと親父よりも大きく、今後プロレスの道を歩めば、初の親子3代レスラー誕生も夢ではない。

 そして、1月からは長期欠場中の巨漢、高山善廣がNHK大河ドラマ『功名が辻』に蜂須賀小六役で出演する。

 何かと落ち込みがちなプロレス界だが、映像の世界では明るい春が楽しめそうだ。

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