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あれから半年。エンゼルスが
亡き友に捧げた地区優勝。 

text by

津川晋一

津川晋一Shinichi Tsugawa

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photograph byYukihito Taguchi

posted2009/10/20 08:00

あれから半年。エンゼルスが亡き友に捧げた地区優勝。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

アナハイムにあるエンゼル・スタジアムには彼を追悼するファンが今も数多く訪れている

 9月28日、エンゼルスが3年連続でア・リーグ西地区優勝を決めた。外野フェンスに掲げられた写真と背番号34に向けて、彼の名を連呼しながら選手たちが一斉に駆け寄る。「僕たちは本当に打ちのめされた。その痛みは今でも癒えることはない」と外野手のハンターは言う。期待の若手投手、ニック・エイデンハート(享年22)が貴い命を落としてから半年。直後には地区最下位まで転落したが、その後は怒涛の快進撃を続け、彼に立てた誓いは現実のものとなった。

 15歳のとき全米野球誌『ベースボールアメリカ』で年間最優秀ユースに選ばれるなど、エイデンハートの才能は早くから注目されていた。今季開幕前に同誌で球団の最も期待される選手にも挙げられ、開幕からローテーション入り。4月8日の今季初マウンドで6回無失点という見事な投球を見せた。惨劇はそのわずか数時間後の出来事だった。友人と同乗した車が、飲酒運転の車に追突されて大破し、帰らぬ人となってしまった。

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ニック・エイデンハート
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