SCORE CARDBACK NUMBER

トップ2の明暗を分けた金曜と土曜の差。 

text by

今宮純

今宮純Jun Imamiya

PROFILE

photograph byHiroshi Kaneko

posted2006/08/17 00:00

トップ2の明暗を分けた金曜と土曜の差。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

 チャンピオンズ・バトルが激しさを増している。これでもかという速さを母国ドイツGPで見せつけ3連勝のM・シューマッハー。熱波が続くヨーロッパ、ホッケンハイムも前戦フランスGPに続いて“耐熱ゲーム”と化した。フェラーリはブリヂストンに思い切ったソフトコンパウンド・スペックをリクエスト。それがピッタリはまった。少しでも柔らかさが異っていたらタイヤトラブルが起きても不思議ではない、まさにチャレンジングなチョイスだった。

 ルノーとミシュランはチョイスに迷いがあった。ハードは硬すぎてタイムの出方が悪いばかりか、ライバルのフェラーリにスピードで劣る。ソフトはその点において対抗できるものの、高温状況でロングランし続けた場合の磨耗度合いで不安がある。

 2スペックそれぞれに一長一短があったため、ルノーはなかなか決定に至らなかった。その2スペックをF・アロンソとG・フィジケラが試して比較。結局土曜予選前にようやくソフトで行くことを決めた。それまでに時間を費やした分だけマシン・チューニング作業時間が奪われていった。逆にフェラーリ陣営は金曜からソフトに決めうち。M・シューマッハーとF・マッサ2人の共同作業で合計50ラップを走りこんだ。十分な距離である。そうやってチューニングも突き詰められ、タイムペースも確認できた。

 1―2フィニッシュで完勝となったフェラーリにとって大きかったのはマッサの仕事だ。M・シューマッハーがギリギリのソフトタイヤチョイスだったことを受け、レースペースを上げたり下げたりと緩急をつけて走る。それをマッサは背後で学んでいった。ただついて行けばいいのではない。自分のドライビングリズムをM・シューマッハーのペースに合わせて切り替えていくのは、若いドライバーにとっては難易度が高く、かえってミスする危険性があったのだ。

 タイヤ変調によって大苦戦だったF・アロンソは、決勝ベストラップがトロロッソのV・リウィツィなみの9位。それでも5位を守り切ったのはさすが。2位表彰台に立ったマッサも含めて、M・シューマッハーとアロンソの間に3人。ポイント差が11に縮まった。2人の質の高いバトルが面白くなってきた。

ページトップ