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’04年のキーワードは速さと信頼性の進歩。 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byFujio Hara

posted2004/11/18 00:00

’04年のキーワードは速さと信頼性の進歩。<Number Web> photograph by Fujio Hara

 さて、'04年シーズンも終了。振り返ればデビュー14年目のM・シューマッハーが年間13勝のワールドレコードを樹立。まさに“ベスト・オブ・シューマッハー”とでも呼べるようなシーズンだった。

 それは昨年の成績と比べればより鮮明だ。6回目の王座を手にしたものの、年間6勝、ポールポジション5回、最速ラップは5回にとどまっていた。それが今年はほぼ“倍増”の年間13勝、PP8回、最速ラップ10回。中でも最も評価したいのがレース中にマークされた最速ラップで、勝てなかったモナコGP(トンネル内事故)や中国GP(スピンなどで12位)でも誰よりも速いタイムを刻んだ。独走優勝のパターンに持ち込めばあとは流してもいいはずだが、今年のシューマッハーはほとんどそういうことをしなかった。

 ただ、シューマッハーだけが速かった'04年、というわけではない。今季の特徴は、全18戦を通じてべらぼうにF1マシンが“速くなった”ことにもある。毎年F1スピード記録の『宝庫』となるイタリアGP・モンツァ、その予選1回目でJ-P・モントーヤ(ウイリアムズ・BMW)が1分19秒525を叩き出した。平均時速262・242kmはF1史上最速ラップレコードになる。またコース上での最高速(1070mのメインストレートエンド)も時速369・9kmに達した(A・ピッツォニア/ウイリアムズ・BMW)。ちなみに'03年は368・8km、'02年は363・0km。ジリジリと上昇し、時速370km目前まできた。実際コースサイドにいると、この速さは尋常ではない。F1のスピードには慣れているはずの自分でさえ鳥肌が立つ。FIA側が'05年以降の新レギュレーション改定、安全性の見直しを検討しているのは当然といえる。

 目立ったスピードアップと共に、マシンの信頼性向上も目についた。いわゆるサバイバルレース(完走10台以下)は18戦中たったの3戦。完走15台以上が12戦もあって昨年の5戦より大幅に増えた。相手がつぶれるのを待つような戦法は通用しなくなったのである。

 そして、最後に触れたいのが佐藤琢磨。入賞率50%、9戦でポイントゲットしてワールドランキング8位は日本人新記録。3位表彰台は完走9台のサバイバルレースとなったアメリカGPで得たものだ。フェラーリ1―2に続いていったところに価値があるのだ。

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