SCORE CARDBACK NUMBER

敵地で気を吐けるか、ジャパン秋の遠征。 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

PROFILE

photograph byShinsuke Ida

posted2004/11/18 00:00

敵地で気を吐けるか、ジャパン秋の遠征。<Number Web> photograph by Shinsuke Ida

 秋の遠征はジャパンの鬼門である。

 国内シーズン真最中とあっては遠征前の合宿もままならない。諸手続を考えればメンバー発表は早目が望ましいが、その後で負傷者が出るのは日常茶飯事。チーム事情による辞退者も、名目はともかく後を絶たない。さらに発表後の試合で抜擢した選手のデキが悪ければ、監督が「どこを見てるんだ?」の批判にさらされる。

 思い出すのは、平尾誠二監督最後の指揮となった2000年の欧州遠征だ。9月の代表発表後、春のシリーズで主将を務めた増保輝則らが負傷し、出発直前になって代表5人を入れ替え。結果、遠征最後のアイルランド戦には9対78の大敗を喫し「終身監督」とまで呼ばれた平尾監督も辞任を余儀なくされたのだった。'93年のウェールズ遠征でも学生など辞退者が続出し、テストマッチに5対55の大敗。小薮修監督は兼務していた強化委員長の職を奪われた。向井昭吾前監督が率いた'02年釜山アジア大会ではメンバーの補充さえ大会委に拒否され、リザーブも揃わない20人で3試合の戦いを強いられ最後の韓国に敗れた。

 ――というわけで、今秋のジャパンも苦しい事態に見舞われている。大畑大介、小野澤宏時という日本BKの2枚看板に加え、期待の暴れ馬FB遠藤幸佑も負傷で直前に辞退。FWでもリーダー候補の松原裕司が抜けた。その一方で、トップリーグでは全くいいところを見せていない選手が残っていたり……。

 13日には昨年のW杯で食い下がったスコットランドとの初戦が待つ。20日は'95年の初テストで破って以来のルーマニア戦。26日の最終戦は次回W杯での同組入りが濃厚なウェールズが相手だ。無論全て敵地での戦い。いずれも手ぐすね引いて、手荒に歓迎してくれるのは間違いないのである。

 光明は、NZサウスランド州代表スコッドとして1シーズンを送ってきた大久保直弥、同じくノースハーバー代表入りを確実にしながら帰国した木曽一とのNPC挑戦コンビの1年ぶり代表復帰だ。さらに猛タックラー山口貴豊、ゲーム統率力とディフェンスが光る田中澄憲、そして負傷者の補充として招集された今利貞政の初代表勢。いずれも以前からジャパン入りを渇望されていた人材だ。ファンが時差を忘れ、未明のTV中継にかじりついてしまうような戦いを届けて欲しい。

ページトップ