SCORE CARDBACK NUMBER

12年ぶりの皇帝不在で、噴出する跳ね馬の課題。 

text by

今宮純

今宮純Jun Imamiya

PROFILE

posted2007/02/08 00:00

 2007というマシン・ネーミングに戻したフェラーリの新たなる挑戦が始まる。'05年はF2005、'06年には伝統に則って248(2.4l

V8エンジンから命名)で臨んだが、ルノー2連覇を許した。'96年から'06年までエースを務めたM・シューマッハーが引退、チームにとって課題の多い年だ。

 まず技術陣では、'97年からずっと采配をふるってきたR・ブラウンが休養をとり、マシン・チーフデザイナーだったR・バーンも後継者とかわった。シューマッハーとスクラムを組み、栄光を築き上げてきた彼らの〈不在〉をどう補っていくか。これが第一の課題。

 第二にマクラーレンから加入したK・ライコネンが、このイタリアン・チームにすんなり溶け込んでいけるかどうか。彼の速さについては誰もが認めるところだが、元マクラーレン・チーム関係者が最近になって「ハードにプッシュしすぎるあまりトラブルを誘発することもあった」と告白。フェラーリは昨年、マシンおよびエンジン信頼性が高くなかった。それだけに、彼のドライビングに見合った信頼性の確立が急務となるだろう。またライコネン自身、ワンメイクタイヤ規定に変わったブリヂストンに対応した走りを磨く必要もある。'06年内は契約が残っていたため全くフェラーリに乗れなかった。3月開幕までにチームオーガナイズに慣れ、F2007を熟成開発し、ミシュランとのタイヤ特性の差異も完全に把握しなければならない。

 第三の課題は、残留2年目となるF・マッサをチーム側がどう扱うかだ。昨年はシューマッハーには忠実で、命じられれば〈犠牲バント〉的なチームプレーにも応じた。しかし、新加入ライコネンに対してはチームの先輩でもある。年齢も2歳と変わらず、早くもライバル意識を燃やしている。元々この名門チームでは派閥争いがあって、それをシューマッハーが実力で制圧したからこそ長期黄金時代は続いた。もしライコネンとマッサがチーム内で〈正面衝突〉するような事態になったら一大事。今年新たにスーパーバイザー役にシューマッハーを起用するのも、そういった懸念があるからか。ドライバーとチームが方向性を見失いかけたとき、テスト・ランには出てくる可能性もある、と僕は思っている。

関連キーワード
ミハエル・シューマッハー
キミ・ライコネン
フェリペ・マッサ
フェラーリ

ページトップ